パレチゼーションとは|物流のメリットと標準化が進まない理由

/ ハコプロ編集部

パレチゼーションとは|物流のメリットと標準化が進まない理由

物流の現場でパレチゼーションという言葉を耳にする機会が増えています。荷主企業からパレット単位での納品を求められたものの、具体的に何を整えればよいのか判断がつかないという運送会社の担当者も少なくないでしょう。この記事では、パレチゼーションの基本的な考え方から、導入によって得られる効果、現場でなかなか標準化が進まない背景まで、順を追って整理します。

パレチゼーションとは何か

パレチゼーションとは何か

パレチゼーションとは、貨物を段ボール箱やコンテナのままではなく、パレットと呼ばれる荷役台に積み付けた状態で荷役や輸送、保管を行う仕組みを指します。パレットに積んだ荷物はフォークリフトでまとめて動かせるため、人手による積み下ろしと比べて作業のスピードが大きく変わってきます。

一貫パレチゼーションとの違い

パレチゼーションと似た言葉に、一貫パレチゼーションがあります。両者は同じ意味で使われる場面もありますが、厳密には荷役の一部でパレットを使う状態がパレチゼーション、生産拠点から納品先まで積み替えずに同じパレットのまま運び続ける状態が一貫パレチゼーションと整理されることが多いです。異なる企業や輸送機関をまたいでもパレットを崩さずに運べることが、一貫パレチゼーションの核心といえます。

荷役現場でパレチゼーションが求められる背景

背景には、トラックドライバーの労働時間規制強化とドライバー不足があります。ドライバー不足は2030年には約25万人、2040年には約100万人規模に達すると見込まれており、荷待ちや荷役に費やす時間そのものを減らす取り組みが急務になっています。手荷役でトラック一台分の荷物を積み下ろす作業はドライバー一人あたり数十分から一時間以上を要することも珍しくなく、この時間をパレット単位の荷役に置き換えることで、運行効率を底上げできると期待されています。

パレチゼーションによるメリット

パレチゼーションによるメリット

パレチゼーションを取り入れることで得られる効果は、荷役時間の短縮だけにとどまりません。輸送コストや荷物の状態、さらには現場で働く人の負担にまで、幅広く影響が及びます。

荷役作業の効率化とドライバーの負担軽減

パレット単位で荷役を行えば、フォークリフトを使って一度に大量の荷物を積み下ろせるようになります。手作業での積み下ろしに比べて拘束時間が短くなるため、ドライバーは荷待ちや荷役にかかる時間を運転や休憩に充てられるようになり、長時間労働の是正にもつながります。

輸送コストの削減と破損リスクの低減

パレット化された荷物は積み付けが安定しやすく、輸送中の荷崩れや荷物同士の擦れによる破損が起こりにくくなります。荷傷みによる返品やクレーム対応が減れば、その分のコストも抑えられます。あわせて荷役にかかる人件費の削減効果も見込めるため、輸送コスト全体を押し下げる要因になります。

環境負荷の低減

荷役の効率化はトラックの待機時間削減につながり、アイドリング時間や燃料消費の抑制にも寄与します。パレットを繰り返し使うレンタル方式を選べば、梱包資材の使用量そのものを減らせる場合もあり、輸送に伴う環境負荷を段階的に下げていく手段としても注目されています。

パレチゼーションが進まない理由と課題

パレチゼーションが進まない理由と課題

これほど利点の多いパレチゼーションですが、実際の物流現場での普及は一様には進んでいません。導入を阻む要因は一つではなく、いくつかの課題が絡み合っています。

パレットサイズや規格の不統一

国内で流通しているパレットには複数の規格が存在し、企業や業界によって使用するサイズが異なります。荷主側のパレットと配送先の設備が噛み合わなければ、結局は積み替え作業が発生してしまい、一貫した運用にはなりません。規格の違いは、パレチゼーションの効果を発揮しにくくする最も大きな壁の一つです。

荷主と運送会社の連携不足

パレット輸送を機能させるには、出荷元と配送先の双方がパレットを扱える体制を整えている必要があります。片方だけがパレット化を進めても、もう一方に受け入れ設備がなければ効果は限定的です。異なる企業間でパレットをやり取りする以上、どちらが所有し、どちらが返却するのかという管理の取り決めも欠かせません。

パレット管理システムの構築負担

複数の企業をまたいでパレットを循環させるには、どこにどれだけのパレットがあるかを把握する仕組みが必要です。管理の仕組みを新たに構築するには初期投資がかかるうえ、参加する企業が増えるほど運用の調整も複雑になっていきます。中小規模の運送会社にとっては、この初期負担の大きさが導入をためらう理由になりやすいところです。

標準化に向けた業界の取り組み

標準化に向けた業界の取り組み

こうした課題に対して、業界団体や行政もただ手をこまねいているわけではありません。近年は標準パレットの普及に向けた具体的な取り組みが動き出しています。

標準仕様パレットのレンタル普及

業界内では、規格を統一した標準パレットをレンタル方式で貸し出す仕組みが広がりつつあります。企業が自社でパレットを保有するのではなく、共通の規格をレンタルで利用することで、企業間をまたいだ受け渡しがしやすくなります。加工食品分野など荷動きの多い業種から、標準化が先行して進んでいる状況です。

官民が連携した共同プラットフォームの構築

国土交通省や農林水産省も、物流の効率化という文脈でパレット標準化を後押ししており、共同で使えるプラットフォームづくりに向けた検討が続けられています。一社単独で進めるよりも、業界横断で規格と運用ルールを揃えたほうが、パレチゼーションの効果は広がりやすくなります。中長期的には、こうした官民一体の取り組みが標準化のスピードを左右することになりそうです。

パレチゼーション対応の運送会社を探すには

パレチゼーション対応の運送会社を探すには

パレチゼーションへの対応状況は、運送会社によって差があります。荷主企業としては、パレット荷役に対応できる運送会社をどう見極め、どう探すかが実務上の課題になってきます。

パレット対応の可否を見極めるポイント

運送会社を選ぶ際は、フォークリフトなどの荷役設備を保有しているか、パレット単位での納品実績があるかを事前に確認しておくと安心です。あわせて、担当するドライバーが実際にどのような経験を積んできたかも、荷役品質を左右する要素になります。現場を担うドライバーの顔が見える形で情報を得られると、判断材料はより確かなものになります。

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