運転免許の種類と中型区分の違いを解説|取得条件から費用まで

/ ハコプロ編集部

運転免許の種類と中型区分の違いを解説|取得条件から費用まで

運送業界で働く人や、これから働こうとする人にとって、運転免許の種類は避けて通れないテーマです。普通免許で乗れる車と中型免許が必要な車の境界線は、想像以上にわかりにくくなっています。道路交通法の改正が重なったことで、免許の区分は取得時期によって細かく枝分かれしており、同じ「中型免許」という言葉でも、取得したタイミングによって運転できる範囲が違うケースさえあります。

この記事では、運転免許全体の区分から中型免許の位置づけ、取得条件や費用の目安、8トン限定中型免許の扱いまでを整理します。採用担当者としてドライバーの免許を確認する場面でも、自分のキャリアを考える場面でも、判断の土台として役立つはずです。

運転免許の種類はどのように区分されているか

免許制度を理解するときは、まず「区分」と「種類」という2つの軸を分けて考えると整理しやすくなります。区分は免許の使い道による大枠の分類で、種類は運転できる自動車を細かく規定するものです。この2つを混同すると、中型免許がどこに位置するのかが見えにくくなります。

運転免許の3つの区分(第一種・第二種・仮免許)

運転免許は大きく分けて第一種運転免許、第二種運転免許、仮運転免許の3区分で構成されています。第一種は自家用車や自社の荷物を運ぶトラックなど、一般的な運転で使う免許です。第二種はタクシーやバスなど、旅客を運送して対価を得る場合に必要になります。仮運転免許は教習所や公道での練習時に使う一時的な免許で、単独では自動車を運転する権利にはなりません。中型免許は、原則としてこの第一種運転免許に含まれる種類の一つです。

自動車を運転する免許は9種類に分かれる

第一種運転免許の中には、運転できる自動車の大きさや用途に応じて複数の種類があります。普通自動車免許、準中型自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許、大型特殊自動車免許、大型自動二輪免許、普通自動二輪免許、小型特殊自動車免許、けん引免許という区分けです。JAFの解説でも、区分と種類の関係が整理されています。中型免許は、この9種類のうちの一つとして、普通免許と大型免許のあいだを埋める位置づけにあります。

中型免許とは何か 運転できる自動車の範囲

中型免許とは何か 運転できる自動車の範囲

中型免許は、車両総重量や乗車定員が普通免許の範囲を超えるものの、大型免許ほどの規模ではない自動車を運転するために設けられた免許です。トラックでいえば4トン車や増トン車、マイクロバスより一回り大きい車両などが対象になります。

中型免許で運転できる車両総重量・乗車定員

中型免許で運転できるのは、車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量4.5トン以上6.5トン未満、乗車定員11人以上29人以下の自動車です。これらの数値のいずれか一つでも上回ると、大型免許が必要になります。すべてが下回っていれば、準中型免許や普通免許の範囲に収まります。

中型免許が新設された経緯

中型免許という区分は、もともと道路交通法に存在していたわけではありません。2007年6月2日の法改正で新設された、比較的新しい種類です。全日本トラック協会の解説によると、改正前は普通免許で車両総重量8トン未満の車まで運転できましたが、事故防止の観点から車両区分が細分化され、中型免許という新しい枠組みが生まれました。この改正より前に普通免許を取得していた人は、8トン限定という形で中型免許相当の運転資格が引き継がれています。

中型免許と準中型免許・普通免許の違い

免許の種類が増えるほど混乱しやすいのが、中型免許と準中型免許、普通免許との境界です。3つの免許は車両総重量の範囲で線引きされていますが、取得した年代によって同じ「普通免許」でも運転できる範囲が異なる点には注意が必要です。

車両総重量による線引きの違い

現行制度では、普通免許は車両総重量3.5トン未満、準中型免許は3.5トン以上7.5トン未満、中型免許は7.5トン以上11トン未満という範囲で区切られています。数値だけで見ると近い印象を受けますが、実際に運転できる車種はまったく違います。

  • 普通免許 車両総重量3.5トン未満
  • 準中型免許 車両総重量3.5トン以上7.5トン未満
  • 中型免許 車両総重量7.5トン以上11トン未満

警視庁の案内にあるとおり、準中型免許は2017年3月12日の改正で新設された比較的新しい種類で、この改正前に普通免許を取得した人は、5トン限定準中型免許という形で運転できる範囲が引き継がれています。

どちらを取得すべきか迷ったときの考え方

これから免許を取得する人であれば、将来どのような車両を運転する可能性があるかを起点に考えるのが現実的です。運送業界で働く可能性が少しでもあるなら、準中型免許ではなく中型免許を視野に入れておくと、選べる仕事の幅が広がります。ただし取得費用や教習時間は種類によって増えるため、必要性と費用のバランスを見て判断することになります。

中型免許を取得するための条件

中型免許は普通免許よりも取得条件が厳しく設定されています。運転経験が浅い人がいきなり取得できる免許ではない点は、あらかじめ押さえておきたいところです。

年齢と運転経歴の要件

中型免許を取得するには、20歳以上であることに加えて、普通免許や準中型免許などを取得してから通算2年以上経過している必要があります。この「2年」には免許停止期間が含まれないため、過去に免許停止処分を受けた経験がある人は、実質的な経過期間を確認しておくと安心です。

適性試験でみられるポイント

視力は両眼で0.8以上、片眼でそれぞれ0.5以上であることが求められます。なお、普通免許などで認められている「片眼の視力が基準に届かなくても、もう片方の眼の視野が150度以上あればよい」という特例は、中型免許には適用されません。このほか、深視力(奥行きを把握する視力)、聴力、運動能力についても基準が設けられており、教習所や試験場で行われる適性検査で確認される項目です。

中型免許の取得方法とかかる期間・費用の目安

中型免許の取得方法とかかる期間・費用の目安

中型免許を取得するルートは、大きく分けて指定自動車教習所に通う方法と、運転免許試験場で直接試験を受ける「一発試験」の2つです。どちらを選ぶかによって、必要な期間や費用感は大きく変わります。

指定自動車教習所に通うルート

教習所を利用する場合、学科教習と技能教習を段階的に受けたうえで、卒業検定に合格すれば、運転免許試験場での技能試験が免除され、適性試験を受けて免許を取得できます(普通免許などを持っていれば学科試験も免除されます)。すでに普通免許を持っているかどうかで必要な教習時間は変わり、普通免許を保有している人のほうが技能教習の時間は短くて済む仕組みです。費用は教習所によって幅があり、所持している免許の種類や地域によっても差が出やすいため、複数の教習所で見積もりを比較しておくと判断しやすくなります。

運転免許試験場で受ける一発試験

一発試験は、教習所に通わずに運転免許試験場で適性試験と技能試験を直接受験する方法です(普通免許などを持っていれば学科試験は免除されます)。受験料自体は教習所に通うより安く抑えられますが、技能試験の合格率は高くないといわれており、複数回の受験を前提に考えておいたほうが現実的でしょう。仕事の合間に時間を作りやすい人や、すでに運転技術に自信がある人にとっては選択肢になり得ますが、平日の日中に試験場へ足を運ぶ必要がある点は、働きながら取得を目指す人にとって負担になりやすい部分です。

所持免許による教習時間の違い

所持している免許によって、必要な教習時間は段階的に短くなります。普通免許を保有している状態から中型免許を目指す場合と、準中型免許を保有している状態から目指す場合とでは、技能教習の時間に大きな差が出ます。運送会社が未経験者を採用してから免許取得を支援する場合、この教習時間の違いが研修期間の見通しにそのまま影響してきます。

8トン限定中型免許と限定解除の考え方

中型免許の話をするときによく出てくるのが「8トン限定」という言葉です。免許証を確認したときにこの記載がある人は少なくないため、意味を正しく理解しておくと採用面談などの場面でも役立ちます。

8トン限定中型免許を持っている人の範囲

2007年6月1日以前に普通免許を取得していた人は、法改正によって自動的に8トン限定中型免許を持つ扱いになっています。この免許では、車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満、乗車定員10人以下までの自動車を運転できます。免許証にある「中型車は8トンに限る」という記載は、この経過措置によるものです。

限定解除で運転できる範囲が広がる

8トン限定を解除すると、通常の中型免許と同じ範囲、つまり車両総重量11トン未満までの車両を運転できるようになります。限定解除の方法は、指定自動車教習所で審査を受ける方法と、運転免許試験場で技能試験を受ける方法の2つがあり、費用や期間はどちらを選ぶかで変わります。すでに8トン限定中型免許を持っている人が増トン車の運転を任されるようになった場面で、この限定解除がボトルネックになるケースは珍しくありません。

運送業界が免許種類の知識を押さえておくべき理由

ここまで見てきた免許の区分は、個人の資格取得の話にとどまりません。運送会社にとっては、採用や配車の判断に直結する情報でもあります。

採用のミスマッチを防ぐ観点

採用面接の段階で、応募者が持っている免許でどの車両を運転できるのかを正確に把握できていないと、入社後に「想定していた車両に乗れない」というミスマッチが起きやすくなります。とくに8トン限定中型免許のように、免許証の記載だけでは運転できる範囲がわかりにくいケースは、担当者側の理解が採用の質を左右します。ドライバー不足は今後さらに深刻化すると見られており、2030年には約25万人、2040年には約100万人規模の人材不足になるという見通しも示されています。免許区分への理解は、限られた人材を無駄なく配置するための土台になります。

免許取得支援と情報発信がドライバー採用の武器になる

準中型免許での応募者を中型免許取得支援付きで採用する、あるいは8トン限定の限定解除費用を会社が負担するなど、免許まわりの支援は求職者にとってわかりやすい魅力になります。こうした制度を整えても、求職者に届かなければ意味がありません。荷主企業との直接契約を軸にしたマッチングサービス「ハコプロ」を運営する株式会社LIGOが手がける本メディア「ハコブログ」では、運送会社の会社PRやドライバー名鑑を通じて、免許取得支援を含めた職場の実態を発信する場を提供しています。掲載料や登録料は無料で、写真や文章の更新回数にも制限がありません。中間マージンの削減や荷主との直接契約を目指す運送会社にとって、免許制度への理解と情報発信を組み合わせることは、採用力と受注力の両方を底上げする手段になり得ます。免許区分の整理を機に、自社の採用や協力会社探しの進め方を見直したい方は、ハコプロへの相談を検討してみてください。

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