第二種運転免許の取り方|受験資格や費用相場、教習の流れまで
/ ハコプロ編集部

タクシーやハイヤー、路線バスの運転手として働くには、普通免許とは別に「第二種運転免許」という資格が必要です。人を乗せて運賃をもらう仕事に就くための免許であるため、取得条件や試験内容は普通免許より厳しく設定されています。一方で、2022年と2025年の制度改正によって受験できる年齢や教習にかかる時間は以前より緩和されてきました。この記事では、第二種運転免許を取得するための条件から、教習所を使う場合と直接試験場で受験する場合の違い、費用の目安、申し込みから免許交付までの流れまでを順番に整理します。
第二種運転免許とは何か、第一種免許との違い

第二種運転免許は、旅客自動車、つまりお客様を乗せて運賃を受け取る車両を運転するために必要な免許です。自家用車の運転や、荷物を運ぶだけのトラック輸送であれば第一種免許で足りますが、タクシー・ハイヤー・貸切バス・路線バスのように「人を運んで対価を得る」業務には第二種免許が求められます。この違いを理解しておくと、自分が目指す仕事にどの免許が必要かを見誤らずに済みます。
第二種免許が必要になる仕事の範囲
代表的なのはタクシードライバーとハイヤードライバーです。個人タクシーとして開業する場合も第二種免許は必須の要件になります。バス業界では、路線バスや貸切バス、送迎バスの運転手として乗客を乗せる業務に就く場合に第二種免許が必要です。逆に、引っ越し業や宅配便のドライバーのように荷物だけを運ぶ仕事であれば、第一種免許の範囲で対応できます。就職や転職を考えている業界がどちらに当たるかを、求人票の「必要資格」欄で確認しておくと安心です。
第二種免許の5つの区分
第二種免許は大型特殊第二種免許を含めて5種類に分かれています。タクシーやハイヤーで使われるのは「普通第二種免許」で、多くの方が最初に取得を検討するのはこの区分です。マイクロバスなど中型車両を扱う場合は「中型第二種免許」、大型の路線バスや観光バスを運転する場合は「大型第二種免許」が必要になります。トレーラー型の車両で旅客輸送を行う「けん引第二種免許」は取得者が非常に少なく、実務で必要になる場面は限られています。
- 普通第二種免許:タクシー・ハイヤー・送迎車両など
- 中型第二種免許:マイクロバスなど中型の旅客車両
- 大型第二種免許:路線バス・観光バスなどの大型車両
- けん引第二種免許:けん引形態の旅客車両(取得者は少数)
第二種運転免許の取得条件を確認する
第二種免許は誰でもすぐに受験できるわけではなく、年齢や運転経験、視力などの適性面でいくつかの条件を満たす必要があります。ここを見落としたまま教習所に申し込んでしまうと、入校後に条件を満たしていないことが分かり、余計な時間がかかってしまうこともあるため、先に確認しておくことをおすすめします。
年齢と運転経験の条件、2022年施行の特例教習
従来、第二種免許の受験資格は21歳以上かつ普通免許等の運転経歴が通算3年以上であることが原則でした。ここでいう「3年」は免許停止期間などを含まない、実際に運転していた期間で計算される点に注意が必要です。
この年齢・経験要件は、2022年5月13日に施行された道路交通法改正で緩和されました。「受験資格特例教習」と呼ばれる追加の教習課程を修了することで、19歳以上かつ運転経歴1年以上でも受験できるようになっています。特例教習には年齢のみを引き下げる課程、経験年数のみを引き下げる課程、両方を引き下げる課程の3種類があり、公安委員会が指定した教習所でのみ受講できます。すべての教習所が対応しているわけではないため、若いうちから第二種免許を取りたい場合は、事前に特例教習を実施しているかどうかを教習所に確認しておく必要があります。
なお、この特例を使って21歳未満で第二種免許を取得した場合は、本来の受験資格年齢である21歳に達するまでの間が「若年運転者期間」として扱われます。詳しい制度内容は警察庁の公式ページで確認できます。
視力・深視力・聴力などの適性試験基準
年齢や経験の条件を満たしていても、身体的な適性検査に通らなければ受験自体ができません。第二種免許では第一種免許よりもやや厳しい基準が設けられており、代表的なものは次のとおりです。
- 視力:両眼で0.8以上、かつ左右それぞれ0.5以上
- 深視力:奥行知覚器を用いた三棹法で、2.5メートルの距離から3回測定した平均誤差が2センチメートル以内
- 色彩識別能力:赤・青・黄の識別ができること
- 聴力:10メートルの距離で90デシベルの警音器の音を聞き取れること(補聴器を使用した状態でも可)
この中でつまずきやすいのが深視力検査です。両眼視の立体感覚を測る特殊な検査であり、普段の生活では意識しない能力のため、練習用の器具で事前に慣れておく方も少なくありません。基準の詳細は警視庁の適性試験ページで確認できます。
取得方法は二つ、教習所と一発試験の違い

第二種免許の取り方には、大きく分けて指定自動車教習所に通う方法と、運転免許試験場で直接受験する「一発試験」の方法があります。どちらを選ぶかによって、必要な時間や費用、難易度の感じ方が変わってきます。
指定自動車教習所を卒業して取得する流れ
もっとも一般的なのが、公安委員会指定の自動車教習所に通うか合宿で入校し、学科教習と技能教習を修了する方法です。教習所を卒業すると、運転免許試験場での技能試験が免除されるため、試験場では適性検査と学科試験を受けるだけで免許が交付されます。技能試験の緊張感を教習所内で分散できるため、初めて第二種免許にチャレンジする方の多くがこちらのルートを選んでいます。
運転免許試験場で直接受験する一発試験という道
一方、運転免許試験場に直接申し込み、学科試験と技能試験の両方を受験する「一発試験」という方法もあります。教習所に通う時間や費用を抑えられる反面、公道や試験コースでの実技試験にいきなり臨むことになるため、第一種免許よりも操作の正確さが求められる第二種試験では難易度が高く感じられやすい傾向があります。すでにタクシー会社などで実務に近い運転経験を積んでいる方が選ぶケースが多く、初心者がいきなり挑戦する方法としてはハードルが高めだと考えておいたほうがよいでしょう。
教習時間と期間の目安、2025年9月のカリキュラム見直し
タクシー業界の人手不足を背景に、普通第二種免許の教習カリキュラムは2025年9月1日から見直されました。第一種免許の教習と内容が重複していた部分が整理され、教習にかかる時間が大きく短縮されています。
新カリキュラムでの学科・技能の時限数
普通免許をすでに持っている方が普通第二種免許を取得する場合、旧カリキュラムでは学科19時限・技能21時限の合計40時限が必要でした。2025年9月からの新カリキュラムでは学科17時限・技能12時限の合計29時限まで圧縮されており、約3割の短縮となっています。技能教習の第二段階にあった「経路の設定」という項目が削除されたことや、所内で行う課題の進め方が柔軟になったことが主な変更点です。ただし、19歳以上・経験1年以上で受験する特例教習は引き続き必須で、安全性を確保する観点から公安委員会指定の教習所での受講が求められます。
通学と合宿、それぞれにかかる期間
合宿免許を利用する場合、新カリキュラムでは最短で3日前後の教習日数で修了できるプランも登場しています。ただし実際には検定や適性検査の日程が加わるため、入校から卒業までは1週間から2週間程度を見込んでおくと予定が立てやすくなります。通学の場合は技能教習の予約を自分の都合に合わせて取る必要があり、平日夕方や週末は予約が集中しやすいため、卒業までに1か月以上かかることも珍しくありません。仕事をしながら取得を目指す方は、通学と合宿のどちらが自分の働き方に合っているかを早めに検討しておくとよいでしょう。
費用相場と負担を抑える工夫

第二種免許の取得費用は、すでに持っている免許の種類や、通学と合宿のどちらを選ぶかによって差が出ます。おおまかな相場を把握したうえで、自分の状況に合った選び方を考えてみましょう。
教習所卒業でかかる費用の内訳
普通免許をすでに持っている方が指定教習所を卒業して第二種免許を取得する場合、費用の目安はおよそ11万円から20万円程度です。免許を持っていない状態から第一種と第二種を合わせて取得する場合は、30万円から40万円程度が目安になります。教習所によって、教材費や検定料が別料金になっているケースもあるため、申し込み前に総額表示の見積もりを確認しておくと安心です。
| 取得ルート | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 普通免許保有者が通学で教習所を卒業 | 11万円〜20万円程度 | 技能試験免除、初めての方に選ばれやすい |
| 免許なしから第一種・第二種を合わせて取得 | 30万円〜40万円程度 | 教習範囲が広い分、費用も高め |
| 合宿免許を利用 | 20万円台前半が中心 | 宿泊費込みで短期間に集中して修了できる |
合宿免許や勤務先の支援制度を活用する方法
合宿免許は宿泊費や食費を含めても20万円台前半の料金を提示している教習所が多く、通学よりも総額を抑えられる場合があります。また、タクシー会社やバス会社の中には、入社後に第二種免許の取得費用を一部または全額負担する制度を設けているところもあります。すでに免許を持っていない状態から未経験でこの業界を目指す場合は、こうした企業の支援制度を探してみることで、自己負担を大きく減らせる可能性があります。求人票の「免許取得支援あり」といった記載を見逃さないようにしましょう。
費用だけで教習所を選ぶと、後から予約が取りにくく卒業が遅れるケースもあります。料金と合わせて、技能教習の予約の取りやすさや、特例教習への対応可否も確認しておくと失敗が少なくなります。
第二種運転免許取得までのステップ
ここまでの内容を踏まえ、実際に第二種免許を取得するまでの流れを順番に整理します。教習所を利用するケースを想定した一般的な手順です。
- 年齢・運転経験・視力などの受験資格を確認する(21歳未満の場合は特例教習の実施校かも確認)
- 通学か合宿かを決め、指定自動車教習所に申し込む
- 入校時に適性検査(視力・深視力・聴力など)を受ける
- 学科教習と技能教習を受講する
- 教習所内で卒業検定に合格する
- 運転免許試験場で適性検査と学科試験を受ける(技能試験は免除)
- 合格後、第二種運転免許が交付される
受験資格や特例教習の詳細な条件は法改正で今後も変わる可能性があるため、申し込み前に最新の情報を教習所や警察庁の公式情報で確認しておくと安心です。
第二種免許のその先にあるキャリアと物流業界の人手不足
第二種免許を取得した後は、タクシーやハイヤー、バスの運転手として働く道が開けます。長く務めれば個人タクシーの開業を目指すことも可能で、資格そのものが自分のキャリアの選択肢を広げてくれる実感を持てるはずです。
二種免許を活かせる仕事の広がり
旅客輸送の現場では、ドライバー不足が深刻な課題になっています。タクシー業界の人手不足に対応するために教習カリキュラムが短縮されたことからも分かるとおり、業界側も新たな担い手を必要としている状況です。第二種免許を取得したドライバーが、送迎バスや福祉輸送など活躍の場を広げていく流れは今後も続くと見られます。
運送業界が抱える人手不足とハコプロという選択肢
旅客輸送だけでなく、貨物を運ぶ運送業界でも人手不足は深刻です。ドライバー不足は今後も拡大が見込まれており、業界に従事する人の高齢化も進んでいます。さらに多重下請け構造が残る現場では、中間マージンによって運送会社の利益が圧迫されやすいという課題も指摘されています。
こうした課題に対応するサービスの一つが「ハコプロ」です。運送会社検索サイトとして掲載運送会社数6万件、営業所数8.5万件のデータベースを持ち、運送会社と荷主企業が仲介を挟まず直接契約できる仕組みを提供しています。運送会社側は登録料・使用料ともに無料で利用でき、ドライバーの年齢や社歴、仕事への想いを掲載する「ドライバー名鑑」によって、荷主企業に安心感を伝える工夫もされています。
第二種免許で旅客輸送のキャリアを築く方にとっても、貨物輸送を担う運送会社の動きは同じ物流業界の一員として無縁ではありません。もし所属先の運送会社が荷主との直接契約や下請け構造からの脱却を検討しているなら、ハコプロへの掲載を一度相談してみる価値があります。
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