大型一種免許の取得費用相場|教習所選びと給付金活用のポイント
/ ハコプロ編集部

大型一種免許の取得を検討すると、まず気になるのが費用の総額ではないでしょうか。教習所に通う場合と一発試験を受ける場合、さらにすでに持っている免許の種類によっても金額は大きく変わります。この記事では、大型一種免許の取得費用の相場を軸に、費用を左右する条件、教育訓練給付金などの活用法、そして取得後にどのようなキャリアが広がるのかまで、実務目線で整理していきます。
大型一種免許とは何か
大型一種免許は、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上のいずれかに該当する自動車を運転できる免許です。大型トラックだけでなく、路線バスや観光バスの一部車両もこの免許区分に含まれます。運送業界においては、長距離輸送や重量物輸送を担う人材にとって欠かせない資格として位置づけられており、求人の応募条件に指定されるケースも珍しくありません。
大型二種免許との違い
大型一種免許は貨物を運ぶための免許であり、旅客を有償で運送する場合には大型二種免許が別途必要になります。一種免許で運転できるのはあくまで貨物輸送や自家用バスの範囲内であり、タクシーやバス事業のように乗客を乗せて運賃を得る業務には対応していません。この違いを理解しておくと、教習所で提示されるコース名や料金表を見誤らずに済みます。
取得できる年齢と条件
大型一種免許を取得するには、21歳以上であり、普通免許や準中型免許などを通算3年以上保有していることが条件になります。視力や聴力についても普通免許より基準が厳しく設定されており、奥行きや距離感を判断する深視力検査への対応も必要です。この年齢・経歴要件があるため、18歳で普通免許を取得した場合でも大型一種免許を受験できるのは最短で21歳からとなる点を押さえておきたいところです(2022年5月からは、受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・保有通算1年以上で受験できる特例もあります)。
大型一種免許の取得費用の相場

大型一種免許の取得費用は、すでに持っている免許の種類によって段階的に変わります。中型免許や準中型免許を持っている場合は必要な教習時限が少なくなるため、免許なし・普通免許のみの状態から取得する場合に比べて費用は抑えられます。大型免許は総額50万円から60万円程度が一つの目安として紹介されるケースもありますが、これは所持免許の段階によって大きく変動する数字だと捉えておく必要があります。
所持免許別の費用感
- 中型免許所持者が合宿免許を利用する場合、最短6泊7日で20万円台から25万円程度
- 中型8トン限定MT免許所持者の場合、最短8泊9日で23万円台から30万円程度
- 普通免許のみ、または免許なしから通学で目指す場合は、必要教習時限が増える分50万円から60万円程度が一つの目安
通学の場合は合宿よりも総額がやや高くなる傾向にあります。教習所までの交通費や日々の食事代は自己負担になる一方、合宿は宿泊費や食事代がパッケージに含まれているためです。もっとも、通学は仕事を続けながら通える点が強みであり、単純な総額だけで比較するのは早計かもしれません。見積もりを比較する際は、追加教習料金やキャンセル料金が別建てになっていないか、料金表の注釈まで確認しておくと想定外の出費を避けられます。
教習所を利用する場合と一発試験を受ける場合の費用差
教習所を経由せず、運転免許試験場で直接技能試験を受ける、いわゆる一発試験という選択肢もあります。費用面だけを見ると教習所ルートよりはるかに安く済むように見えますが、実際には合格のハードルの高さも含めて検討する必要があります。
直接受験にかかる費用の内訳
構内試験手数料や仮免許交付、路上試験、取得時講習、応急救護処置講習、免許交付手数料などを合計すると、直接受験の費用は最低でも4万円弱とされています。ただし、これはあくまで一発合格した場合の金額です。大型車両の運転経験がないまま試験に臨むと不合格が続くことが多く、受験のたびに試験手数料がかさむため、結果的に教習所に通うよりも総額が膨らんでしまうケースも見られます。
では、なぜ教習所ルートが主流になっているのでしょうか。理由は単純で、限られた練習機会の中で大型車両特有の内輪差や制動距離の感覚を体得するのが難しく、経験者でなければ独学での合格が現実的ではないためです。運送会社としてドライバーを育成する場合も、教習所を利用した計画的な取得を前提にしたほうが、育成期間の見通しを立てやすいという実務上の利点があります。
合宿免許と通学免許で費用はどう変わるか
大型一種免許を教習所で取得する場合、合宿免許と通学免許のどちらを選ぶかによっても費用感は変わってきます。
合宿免許のメリットと注意点
合宿免許は宿泊費や食事代がコースに含まれるため、地方の教習所を選べば通学よりも総額を抑えられることがあります。短期間で集中して教習を受けられる点も魅力ですが、まとまった休みを確保する必要があるため、運送会社に勤務しながら取得を目指す場合は職場との日程調整が欠かせません。相部屋か個室かによっても料金が変わるため、快適さと費用のどちらを優先するかも決めておきたいところです。
通学免許を選ぶケース
通学免許は自宅や職場の近くに大型一種免許を扱う教習所がある場合に選ばれやすい方法です。総額では合宿より高くなりがちですが、勤務を続けながら少しずつ教習を進められるため、運送会社に在籍したまま取得を目指す従業員には現実的な選択肢といえます。費用と生活スタイルのどちらを優先するかで、選ぶべきルートは変わってくるでしょう。
教育訓練給付金や助成金を活用して費用を抑える方法

大型一種免許の取得費用は決して小さな金額ではありませんが、公的な給付金や助成金を活用することで実質的な負担を抑えられる場合があります。個人が申請できる制度と、運送会社が従業員のために活用できる制度の両方を押さえておくと選択肢が広がります。
個人が使える教育訓練給付金
雇用保険の被保険者期間などの要件を満たす場合、一般教育訓練給付金では受講費用の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練給付金では40%(上限20万円)が支給されます。さらに免許取得後1年以内に雇用された場合は追加で10%が支給され、合計で上限25万円まで受け取れる仕組みです。ただし対象になるのは厚生労働大臣が指定した講座に限られるため、申し込み前に教習所へ対象講座かどうかを必ず確認しておく必要があります。
運送会社が使える人材開発支援助成金
運送会社側が従業員に大型一種免許を取得させる場合には、人材開発支援助成金の活用も検討に値します。入社5年以内かつ35歳未満の従業員を対象とした若年人材育成訓練では、訓練費用の45%に加えて、従業員一人当たり1時間760円が助成される仕組みが用意されています。個人の給付金と会社の助成金を組み合わせることで実質負担をかなり圧縮できるケースもあるため、詳細は最寄りの労働局やハローワークに問い合わせておくと安心です。
取得までにかかる教習時限と期間の目安

費用と並んで気になるのが、取得までにどれくらいの時間がかかるかという点です。教習時限は所持免許によって決められており、これが費用の差にも直結しています。
技能教習と学科教習の時限数
中型免許所持者であれば技能教習は比較的短時限で済み、合宿であれば1週間程度で卒業できる教習所も見られます。一方、普通免許のみの状態から目指す場合は技能教習の時限数が大きく増えるため、通学であれば1か月から2か月程度、腰を据えて通うことになるケースが一般的です。学科教習についても大型車特有の内容が加わるため、既卒業者であっても油断せず取り組む必要があります。
技能教習の内容も普通免許とは大きく異なります。車両感覚をつかむための内輪差の確認や、長い車体でのバック走行、積載時を想定した制動距離の見極めなど、大型車両ならではの操作を体で覚えていく時間が中心になります。短期間での取得を優先するなら合宿免許、仕事や家庭の予定を優先するなら通学免許というように、期間の希望と費用のバランスを見ながら選択するのが現実的です。
大型一種免許を取得することで広がるキャリアと待遇
ここまで費用面を中心に見てきましたが、大型一種免許は取得コストに見合うだけのキャリアの広がりをもたらす資格でもあります。
物流業界における需要の高まり
トラックドライバーの人数は2015年の76.7万人から2030年には51.9万人まで、約3割減少すると推計されており、対策を講じなければ2030年度には輸送能力の約34%が不足するとも試算されています。大型車両を扱える人材そのものが希少になっていく局面にあるため、大型一種免許を持つドライバーは今後さらに求められる存在になっていくと見てよいでしょう。
給与や待遇面での違い
大型車両は積載量が大きい分、1回の輸送で運べる荷物量も増えるため、中型・準中型を扱うドライバーに比べて基本給や歩合の水準が高めに設定されている求人が目立ちます。長距離輸送を担当する場合は拘束時間が長くなりやすい一方、手当を含めた年収ベースでは相応の待遇が用意されている会社も少なくありません。取得費用を自己負担する前に、応募先の運送会社が免許取得支援制度を用意しているかどうかを確認しておくと、実質的な負担をさらに抑えられます。
大型一種免許取得後の運送会社選びとハコブログへの相談
大型一種免許を取得したあと、あるいは従業員に取得させたあとに次の課題になるのが、その資格や経験をどう活かすかという点です。運送業界では2次請け、3次請けはもとより、5次、6次請負までが当たり前になっている多重下請け構造が根強く残っており、誰が実際に荷物を運んでいるのかが荷主側から見えにくいという課題があります。
この記事を掲載している「ハコブログ」を運営する運送会社検索サイト「ハコプロ」は、全国6万件を超える運送会社と8.5万件の営業所データベースを持ち、荷主企業と運送会社の直接契約を後押ししているサービスです。掲載料、登録料、使用料はすべて無料で、写真や紹介文の更新回数にも制限がありません。ドライバーの年齢や社歴、運送にかける想いを紹介する「ドライバー名鑑」機能を使えば、大型一種免許を持つ人材が在籍していることや、育成体制が整っていることを荷主企業に直接アピールできます。
実際に、北海道のみどり運輸では「ハコプロを通して、荷主から直で連絡をもらえたことが一番有難い」と、直接契約による一次請けへの転換を実感する声も上がっています。大型一種免許の取得支援やドライバーの育成に力を入れている運送会社にとって、その取り組みを荷主企業に見える形で発信できるかどうかは、今後の受注や採用の差につながっていく部分です。自社の体制を広く知ってもらいたい運送会社の方は、ハコブログを運営するハコプロへぜひ一度相談してみてください。