配車の仕事に必要な資格とは?運行管理者との違いや年収を解説
/ ハコプロ編集部

「配車の仕事に興味があるが、資格がないと就けないのではないか」と考える方は少なくありません。求人票に「要普通免許」とだけ書かれ、運行管理者や特殊な資格の記載がないケースも多く、実際に何が必要なのか分かりにくいという事情があります。
この記事では、配車という仕事の内容を整理したうえで、必須の資格が存在するのかどうか、業務で評価されやすい資格や経験、運行管理者との違い、そして向いている人やキャリアの見通しまで、順を追って解説します。
配車という仕事の全体像をおさえる

配車とは、荷主から預かった荷物を、どのドライバーにどの車両で、どの順序で運ぶかを決め、日々の輸送計画を組み立てる業務を指します。運送会社の売上や配送品質は、この配車の巧拙に大きく左右されるため、現場では地味に見えて重要度の高いポジションと位置づけられています。
荷主とドライバーの間に立つ調整役
配車担当者は、荷主からの依頼内容を正確に読み取り、道路状況や積載効率、ドライバーの労働時間などを踏まえて最適な配車案を組み立てます。急な依頼変更や車両トラブルにも対応しなければならず、電話やチャットでのやり取りが一日の中で頻繁に発生します。
単なる割り振り作業ではなく、複数の制約条件を同時に満たす計画立案業務と捉えると、仕事の実態がつかみやすくなります。
運送会社の規模によって業務範囲が変わる
大手運送会社では配車業務と運行管理業務が部署として分かれていることが多い一方、中小規模の運送会社では一人の担当者が配車と運行管理を兼任しているケースも珍しくありません。求人票に記載される業務範囲にばらつきが出やすいのは、こうした会社ごとの体制の違いが背景にあります。
応募前に、配車業務と運行管理業務のどちらまで任される求人なのかを確認しておくと、入社後のミスマッチを避けやすくなります。
配車の仕事に必須の資格はあるのか
結論から述べると、配車という業務そのものに国家資格や免許の取得を義務づける法律上の規定はありません。運送業の中核を担う運行管理者は法律で選任が義務づけられた国家資格ですが、配車という業務名称や役割自体は各社の社内呼称にとどまり、法律上の資格要件は設けられていないのです。
未経験・無資格から配車職に就く人が多い理由
実際の求人を見ると、配車職の応募条件に普通自動車免許以外の資格を求めないケースが目立ちます。荷物の輸送に関する知識や地理感覚、電話対応力といった実務スキルは、入社後のOJTで身につけていく前提になっている会社が多いためです。
運送業界全体でドライバー不足が深刻化する中、事務職からの転職者やドライバー経験者が配車職に配置転換されるルートも一般的になっています。
資格がなくても任される背景にある業務の性質
配車業務が資格を前提としない理由のひとつには、求められる能力の中心が知識の暗記よりも、状況判断力や調整力といった経験知に近い部分にあることが挙げられます。もっとも、これは資格が無意味だという意味ではありません。
むしろ、後述する運行管理者資格などの知識を持っていると、業務の理解度や周囲との連携がスムーズになりやすいと感じる現場担当者は少なくないでしょう。
配車業務で評価されやすい資格・経験

必須ではないものの、持っていると採用や日々の業務のうえで有利に働きやすい資格や経験はいくつか存在します。ここでは代表的なものを紹介します。
運行管理者資格(貨物)
運行管理者は、貨物自動車運送事業法にもとづき一定台数以上の車両を保有する営業所への配置が義務づけられている国家資格です。試験の実施概要や受験資格については、公益財団法人 運行管理者試験センターで最新情報が公開されているため、受験を検討する際は必ず一次情報を確認してください。
配車担当者がこの資格を保有していると、法令にもとづく労働時間管理や点呼のルールを踏まえたうえで配車計画を組めるようになり、運行管理者との連携も取りやすくなります。
普通・中型・大型自動車免許
直接ドライバーとして荷物を運ぶわけではなくても、運転免許を持ち運転経験があると、ドライバー目線での所要時間や道路事情を踏まえた配車計画を立てやすくなります。特にドライバー経験者が配車職に転向するケースでは、この経験がそのまま強みとして評価されやすい傾向にあります。
フォークリフトなど周辺資格
倉庫併設型の営業所では、フォークリフト運転技能講習を修了していると、荷役作業の段取りまで理解したうえで配車を組めるという評価につながることがあります。必須要件ではないものの、応募先の業態によっては歓迎条件として挙げられることがあるため、求人内容を確認しておくとよいでしょう。
配車係と運行管理者の違いを整理する
配車と運行管理者は混同されやすい概念ですが、法律上の位置づけは明確に異なります。ここを整理しておくと、資格の必要性についての理解も深まります。
法律上の選任義務があるのは運行管理者
運行管理者は法律にもとづき、一定規模以上の営業所に選任することが義務づけられた立場です。点呼の実施、乗務員の労働時間管理、車両の点検状況の確認など、安全運行に直結する責任を負います。
一方で配車という業務名称自体は法律上定義されたものではなく、あくまで各運送会社が社内で使っている呼び方にすぎません。
中小規模の会社では兼任されることが多い
大手企業では運行管理者と配車担当が別々の担当者として配置されることもありますが、人員に余裕のない中小規模の運送会社では、一人の担当者が運行管理者資格を保有しながら配車業務も兼任しているケースが少なくありません。
求人票を見る際は、募集されているポジションが配車専任なのか、運行管理者との兼任を前提としているのかを確認しておくと、業務量のイメージがつかみやすくなります。
配車の仕事に向いている人・きつさとやりがい

配車は電話対応やイレギュラー対応が多く、向き不向きが分かれやすい仕事だと言われます。ここでは、実際の業務にもとづいて向いている人の特徴と、きつさ・やりがいの両面を紹介します。
向いている人の特徴
複数の情報を同時に整理しながら優先順位を判断できる人、電話やチャットでのやり取りに抵抗がない人は、配車業務に向いていると言われることが多いです。また、急な変更が発生しても冷静に代替案を組み立てられる柔軟さも重要な資質のひとつです。
細かな数字や時間の管理を苦にしない性格も、日々の業務では強みになるでしょう。
きついと言われる理由とその実態
配車がきついと語られる背景には、荷主都合の急な依頼変更や、悪天候・渋滞によるダイヤの組み直しなど、突発的な対応が発生しやすい業務特性があります。ドライバーとの板挟みになりやすい場面も少なくありません。
もっとも、こうした負担は配車システムの導入や業務フローの見直しによって軽減できる部分でもあり、忙しさを個人の頑張りだけに任せるかどうかは会社側の体制づくりに左右される面が大きいと言えます。
やりがいを感じる瞬間
一方で、複雑な配車をやりくりして計画どおりに荷物を届けられたときや、ドライバーから信頼されて相談を受けるようになったときにやりがいを感じるという声もよく聞かれます。運送会社の売上や品質を支える立場として、自分の判断が会社全体に影響することに手応えを感じる担当者も多いようです。
配車職のキャリアパスと年収の目安
配車職として経験を積んだ後のキャリアには、いくつかの選択肢があります。長く働くことを前提に考えるなら、資格取得のタイミングも合わせて検討しておきたいところです。
未経験からのキャリアの広がり方
配車業務で経験を積んだのち、運行管理者資格を取得して運行管理者としてキャリアアップする道や、配車統括・管理職として営業所全体のオペレーションを見る立場に進む道が一般的です。
近年は配車システムやデジタルツールを扱うポジションへと業務範囲が広がる会社も増えており、IT寄りの知識を身につけることで活躍の場を広げる担当者も出てきています。
年収の目安と評価されるポイント
配車職の年収は、会社の規模や地域、運行管理者資格の有無によって幅があります。一般的には未経験からのスタートよりも、運行管理者資格を保有し実務経験を積んだ担当者の方が、待遇面で評価されやすい傾向にあります。
求人情報を比較する際は、基本給だけでなく、資格手当の有無や、運行管理者資格の取得支援制度があるかどうかも確認しておくと、長期的なキャリア形成の判断材料になります。
配車の資格取得より先に押さえておきたいこと
ここまで見てきたとおり、配車という仕事に法律上必須の資格はありません。ただし、運行管理者資格や運転免許、フォークリフトなどの周辺資格は、業務の理解度や採用時の評価を高める材料になります。
まず配車と運行管理者の役割の違いを理解したうえで、自分がどのキャリアパスを目指すのかを考えることが、資格取得の要否を判断する近道になるはずです。要点を以下にまとめます。
- 配車業務そのものに法律上必須の資格はない
- 運行管理者資格は配車業務の理解を深めるうえで役立つ
- 普通運転免許や実務経験は採用時に評価されやすい
- 中小規模の会社では配車と運行管理者の兼任が多い
配車業務は個人の経験や勘に頼る部分が大きく、担当者の急な退職や休職が輸送体制全体に影響しかねない領域でもあります。荷主との直接契約を促進し、運送会社の情報発信や採用力の強化を支援する運送会社検索サイト「ハコプロ」では、掲載料・登録料を一切かけずに自社の体制やドライバーの人柄を発信できます。
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