ダンプの運転に必要な免許と費用|車両区分別の相場から給付金まで
/ ハコプロ編集部

ダンプカーの運転に必要な免許は車両の大きさで決まる

「ダンプカー」は一つの車種を指す言葉ではなく、車両総重量や最大積載量によって運転できる免許の区分が変わる車両の総称です。まずはダンプの大きさと免許区分の対応関係を整理しておきましょう。
普通免許で運転できる小型ダンプ
軽トラックをベースにした軽ダンプや、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満に収まる小型ダンプであれば、2017年3月12日以降に交付された普通免許でも運転できます。普通免許の区分は車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満、乗車定員10人以下と定められており、この範囲を一つでも超える車両は普通免許の対象外になります。現場に搬入する砕石や残土の量によっては、小型ダンプでは積載量が足りず、次の区分の免許が必要になるケースも珍しくありません。
準中型免許・中型免許が必要な中型ダンプ
車両総重量3.5トン以上7.5トン未満の範囲であれば準中型免許、7.5トン以上11トン未満であれば中型免許が必要になります。いわゆる3トン積みや4トン積みのダンプはこの区分に該当することが多く、建設現場や土木工事の現場でよく見かける車両です。中型免許を取得するには20歳以上で、普通免許などの運転経歴が通算2年以上あることが条件とされています。現場で普通免許を使って軽作業に従事している方が、キャリアアップの一環として中型免許を目指すケースも多く見られます。
大型免許が必要な大型ダンプ
車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上になると、必要な免許は大型免許に切り替わります。10トン積みクラスの大型ダンプがこの区分にあたり、土砂や骨材を大量に運ぶ幹線輸送や大規模な造成工事で活躍する車両です。大型免許の取得条件は21歳以上、運転経歴が通算3年以上とされており、中型免許よりも一段階ハードルが上がります。運搬量が増えるほど一度に運べる量は多くなりますが、その分だけ運転技術や車両感覚が求められる免許区分だといえるでしょう。
ダンプの免許取得にかかる費用の目安

免許取得にかかる費用は、すでに持っている免許の種類や教習所の立地、通学と合宿のどちらを選ぶかによって大きく変わります。ここでは一般的な費用の目安を区分ごとに見ていきましょう。
普通免許から中型免許を取得する場合の費用目安
普通免許を持った状態から中型免許を取得する場合、教習所によって幅はあるものの、おおむね15万円から20万円程度が費用の目安とされています。技能教習は18時限前後、学科教習は数時間程度が一般的で、普通免許の教習に比べると短期間で取得しやすい区分です。
普通免許から大型免許を取得する場合の費用目安
普通免許のみを持った状態から大型免許まで一気に取得する場合、費用は25万円から40万円程度になることが多いようです。技能教習の時限数も30時限を超えることがあり、中型免許を経由するルートに比べて教習期間が長くなりやすい点は押さえておきたいところです。教習所によっては普通免許から大型免許への直接取得プランを用意していない場合もあるため、事前の確認が欠かせません。
中型免許・準中型免許保有者が大型免許を取得する場合
すでに中型免許や準中型免許を持っている場合は、必要な技能教習の時限数が少なくなるため、費用は15万円から25万円程度に収まることが一般的です。運転経験がある分だけ習得も早く進みやすく、ダンプ運転手として働きながら大型免許へステップアップする方の多くがこのルートを選んでいます。
費用に差が出る主な要因

同じ免許区分であっても、教習所の選び方や受験ルートによって最終的な費用は前後します。ここでは費用に影響しやすい三つの要因を紹介します。
通学と合宿、教習所選びによる違い
教習所には、自宅や職場から通う「通学」タイプと、宿泊しながら短期間で卒業を目指す「合宿」タイプがあります。合宿は宿泊費や食費が費用に含まれる代わりに、キャンペーン割引や閑散期料金が適用されやすく、結果的に通学より安く済むこともあります。通学は仕事や家庭の予定に合わせて教習を組みやすいという利点があり、どちらが得かは働き方や住んでいる地域によって変わってきます。
一発試験という選択肢
教習所に通わず、運転免許試験場で直接技能試験を受ける「一発試験」という方法もあります。受験手数料や車両使用料だけで済むため教習所に通うよりも費用を大きく抑えられますが、練習の機会が限られるうえに合格率は低めとされています。免許取得後に慣熟のための教習を別途受ける方も多く、トータルで見ると必ずしも安上がりになるとは限らない点には注意が必要でしょう。
繁忙期・閑散期による料金の変動
教習所の料金は一年を通して一定とは限りません。学生の長期休みと重なる時期は申込みが集中しやすく、料金が割高に設定される傾向があります。閑散期は割引プランが用意されることも多く、時期を選べる場合は費用を抑えやすくなります。ダンプ運転手を目指す社会人であれば、繁忙期を避けて申込みのタイミングを調整するだけでも、負担を軽くできる可能性があります。
免許取得費用を抑えられる公的制度

免許取得の費用は決して小さな金額ではないため、公的な支援制度を活用できるかどうかを事前に確認しておくことをおすすめします。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、雇用保険の加入期間など一定の条件を満たす方が対象の教育訓練を受けた場合に、受講費用の一部が支給される制度です。中型免許や大型免許の教習が対象講座に指定されている教習所も多く、一般教育訓練給付金を利用すると費用のおよそ20パーセント、上限10万円が支給される場合があります。対象講座かどうかは教習所ごとに異なるため、申込み前にハローワークや教習所の窓口で確認しておくと安心です。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、従業員に対して職業訓練を実施した事業主を対象とする助成金です。人材育成支援コースなど一定のコースにおいて、ダンプ運転手として雇用する従業員に免許を取得させる費用の一部を、事業主が助成金でまかなえる仕組みが用意されています。個人ではなく企業側が申請する制度である点は押さえておきましょう。
運送会社の免許取得支援制度
ドライバー不足が続く運送業界では、免許取得費用を会社側が負担する独自の支援制度を設けている運送会社も増えています。一定期間の勤務を条件に費用の全額または一部を会社が負担してくれるケースがあり、公的制度とあわせて活用できれば自己負担をかなり抑えられる可能性があります。就職や転職を検討している段階であれば、求人情報の中に免許取得支援の記載がないか、早めにチェックしておくとよいでしょう。
ダンプ運転手として働くうえで知っておきたいこと

免許を取得したあと実際に現場で働くことを見据えて、あわせて知っておきたい資格や心構えを紹介します。
免許以外にあると役立つ資格
ダンプの運転免許だけでなく、車両の種類や現場によっては次のような周辺資格をあわせて持っていると、任せてもらえる仕事の幅が広がりやすくなります。
- 牽引免許:トレーラー型のダンプを運転する場合に必要
- 大型特殊免許:建設現場で稼働する重機系のダンプに対応
- 車両系建設機械運転技能講習:土木・建設現場での作業範囲が広がる
未経験からダンプ運転手を目指す際の心構え
運送・物流業界ではドライバーの高齢化と人手不足が深刻化しており、現在従事している人の半数近くが50歳以上を占めるとの指摘もあります。2030年には約25万人、2040年には約100万人規模の人手不足になるとの予測もあり、未経験からダンプ運転手を目指す人にとっては働き口自体は見つけやすい状況だといえるでしょう。ただし業界には多重下請け構造が根強く残っており、どの会社に入るかによって給与や労働環境に差が出やすい点には注意が必要です。求人情報だけでなく、会社の実態まで含めて見極める姿勢が大切になります。
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