インターモーダル輸送とは|メリットと導入時の実践ポイント
/ ハコプロ編集部

「インターモーダル」という言葉を、物流の現場やニュースで見かける機会が増えています。トラック輸送だけに頼るのではなく、鉄道や船舶を組み合わせて荷物を運ぶ考え方で、ドライバー不足や燃料費の高騰が続く物流業界で、あらためて注目されている手法です。この記事では、インターモーダル輸送の基本的な考え方から、メリットと課題、実際に導入を検討する際のポイントまでを実務目線で整理します。
インターモーダル輸送とは何か
インターモーダル輸送とは、コンテナのような輸送単位を積み替えずに、トラック・鉄道・船舶・航空といった複数の輸送手段を組み合わせて貨物を運ぶ方法です。荷物そのものを箱から出し入れせず、コンテナごと輸送モードを乗り換える点が特徴で、荷崩れや破損のリスクを抑えながら長距離輸送を効率化できます。
マルチモーダル輸送との違い
インターモーダル輸送とよく似た言葉に、マルチモーダル輸送があります。どちらも複数の輸送手段を使う点は共通していますが、違いは契約と責任の所在にあります。マルチモーダル輸送は一つの事業者が全区間の輸送を一括で請け負い、単一の運送契約で責任を負う形態です。一方でインターモーダル輸送は、区間ごとに異なる事業者が運送を担い、それぞれの区間で個別の契約が結ばれるケースが多く見られます。荷主から見ると、マルチモーダルは窓口が一本化される安心感があり、インターモーダルは区間ごとの専門事業者を活かせる柔軟さがある、と整理すると分かりやすいでしょう。
| 比較項目 | インターモーダル輸送 | マルチモーダル輸送 |
|---|---|---|
| 契約形態 | 区間ごとに異なる事業者と契約 | 一つの事業者が全区間を一括契約 |
| 責任の所在 | 区間ごとに分かれる | 元請け事業者に一本化される |
| 荷主の窓口 | 区間ごとの専門事業者を活用 | 単一窓口で完結 |
モーダルシフトと呼ばれる政策文脈
インターモーダル輸送は、トラック輸送の一部を鉄道や海運に転換する「モーダルシフト」という国の物流政策とも密接に関わっています。国土交通省は、ドライバー不足や環境負荷への対応として、モーダルシフトの推進を物流施策の柱の一つに掲げてきました。インターモーダル輸送は、こうした政策の受け皿となる具体的な輸送手法として位置づけられています。
インターモーダル輸送が今、注目される背景

インターモーダル輸送への関心が高まっている背景には、物流業界が同時に抱える複数の構造的な課題があります。単なる流行ではなく、事業を続けるうえで避けて通れない要因が重なっている点を押さえておく必要があります。
ドライバー不足による輸送力の限界
トラックドライバーの高齢化と担い手不足は年々深刻になっており、2024年4月から適用された時間外労働の上限規制、いわゆる2024年問題も重なって、長距離輸送を中心に一人あたりの走行距離を確保しづらくなっています。同じ人数のドライバーで運べる荷物量そのものが構造的に減っていく局面にあり、トラック単体に依存した輸送計画では荷物が運びきれなくなるおそれがあります。
燃料費・人件費の上昇というコスト圧力
軽油価格や人件費の上昇は、長距離トラック輸送のコストを押し上げ続けています。鉄道や船舶は一度に大量のコンテナを運べるため、単位当たりの輸送コストを抑えやすいという特性があります。長距離区間を鉄道や海運に任せ、集荷と配送だけをトラックが担う形にすれば、コスト上昇の影響をある程度吸収できます。
CO2排出削減という環境要請
鉄道や船舶は、トラックに比べて輸送量あたりのCO2排出量が少ないとされています。取引先から環境配慮を求められる場面が増えるなか、幹線輸送を鉄道や海運に置き換えるインターモーダル輸送は、サプライチェーン全体の環境負荷を下げる具体策として企業から注目されています。
インターモーダル輸送のメリット

インターモーダル輸送を取り入れると、コストや環境面だけでなく、事業の継続性という観点でも複数の利点が得られます。導入を検討する際は、自社にとってどのメリットが特に重要かを整理しておくと、優先順位をつけやすくなります。
物流コストを平準化しやすい
長距離区間を鉄道や海運に切り替えることで、燃料費の変動や高速道路料金の影響を受けにくい輸送手段を組み合わせられます。トラック一本足打法から脱却することで、特定の輸送モードの価格変動に振り回されにくいコスト構造をつくれる点は、大きな利点です。
環境負荷を抑えられる
CO2排出量の削減は、取引先からの評価だけでなく、荷主企業自身の環境目標の達成にもつながります。物流部門の脱炭素化は、企業全体のサステナビリティ戦略の一部として位置づけられる場面が増えており、インターモーダル輸送はその実行手段の一つになります。
BCP(事業継続計画)の強化につながる
輸送手段を一つに依存していると、災害や事故でその手段が使えなくなったとき、輸送そのものが止まってしまいます。トラック・鉄道・船舶を組み合わせておけば、どれか一つの輸送網に支障が出ても、別の経路で代替しやすくなり、事業継続の観点でもリスクを分散できます。
インターモーダル輸送に伴う課題とリスク
メリットが多い一方で、インターモーダル輸送には導入前に理解しておくべき制約もあります。過度な期待だけで進めると、かえって現場が混乱しかねません。
積み替え拠点の立地と設備の制約
インターモーダル輸送では、トラックから鉄道や船舶へコンテナを積み替える拠点が欠かせません。こうした拠点は全国どこにでもあるわけではなく、貨物駅や港湾に近い立地に限られます。自社の集荷エリアや配送エリアの近くに適した拠点があるかどうかは、導入可否を左右する重要な条件です。
リードタイムが延びやすい構造
鉄道や船舶にはあらかじめ決まったダイヤやスケジュールがあり、トラックのように出発時刻を自由に調整できません。積み替え作業や乗り継ぎ待ちの時間が加わる分、トラック輸送だけで完結させる場合に比べてリードタイムは延びる傾向にあります。急な出荷や当日配送が多い荷物には、あまり向かない面があります。
運用設計とルート管理の難しさ
区間ごとに異なる事業者が関わるインターモーダル輸送では、荷物の位置情報や進捗状況が事業者間で分断されやすいという課題もあります。例外対応のルールをあらかじめ決めておかないと、遅延やトラブルが起きた際に、誰がどこまで責任を持って対応するかが曖昧になりがちです。
インターモーダル輸送を導入する際の実践ポイント

課題を踏まえたうえで導入を検討するなら、いきなり全社的に切り替えるのではなく、段階を踏んで進める方が現実的です。着手前に、次のような点を自社で確認しておくと迷いが少なくなります。
- まとまった数量を安定して運ぶレーンがあるか
- 鉄道駅や港湾に近い積み替え拠点を使えるか
- 荷姿やコンテナサイズを標準化できるか
対象レーンと輸送単位を絞り込む
最初から全ての輸送をインターモーダル化しようとすると、現場の負担が大きくなりすぎます。まずは輸送量がまとまっていて、かつ鉄道や海運の拠点に近いレーンを一つ選び、そこで実際の運用を試してみることが現実的な進め方です。荷姿やコンテナサイズを標準化しておくと、積み替え作業もスムーズになります。
情報連携とKPIを先に固める
複数の事業者が関わる輸送だからこそ、貨物の位置情報をどう共有するか、遅延が発生した際の連絡ルールをどうするかを事前に決めておく必要があります。あわせて、輸送コスト・リードタイム・CO2排出量といった複数の指標でKPIを設計しておくと、切り替え後の効果を客観的に振り返りやすくなります。
インターモーダル輸送に関するよくある疑問
インターモーダル輸送の導入を検討する際、よく聞かれる疑問をまとめました。
どんな貨物がインターモーダル輸送に向いていますか
納期にある程度余裕があり、まとまった量を定期的に運ぶ貨物ほど、インターモーダル輸送との相性が良いとされています。逆に、当日中の配送が求められる貨物や、少量かつ不定期な出荷には向きにくい面があります。自社の出荷パターンを整理したうえで、どの部分をインターモーダル化できるかを見極めることが出発点になります。
国内輸送と国際輸送で何が違いますか
国内のインターモーダル輸送は、主にトラックと鉄道の組み合わせが中心で、国内の貨物駅を積み替え拠点とするケースが一般的です。一方、国際輸送では船舶やコンテナ船が主な輸送手段となり、通関手続きや国ごとに異なるルールへの対応も必要になります。国際輸送を検討する場合は、国内輸送以上に、区間ごとの手続きや責任範囲を事前に確認しておくことが大切です。
運送会社選びに迷ったらハコプロに相談してください
インターモーダル輸送を実際に導入するかどうかは、自社の輸送量や拠点、取引先との関係によって最適な答えが変わります。方針を固める前に、鉄道や海運との連携実績がある運送会社に相談し、自社の荷物に合った組み合わせを一緒に検討してもらうことが近道です。
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インターモーダル輸送への切り替えを検討している方は、まずはハコプロで自社のレーンに対応できる運送会社を探してみてください。