配車計画とバース管理を連動させる方法|遅延防止の実践ポイント

/ ハコプロ編集部

配車計画とバース管理を連動させる方法|遅延防止の実践ポイント

トラックが荷物を積み降ろしする場所を指す「バース」は、配車計画を組み立てるうえで見落とされやすい要素です。ドライバーの走行ルートや到着時刻を決める配車計画と、倉庫側の受け入れ枠であるバースの空き状況は、本来セットで考えるべきものです。片方だけを整えても、もう片方が追いつかなければ現場では荷待ちや遅延が発生します。この記事では、配車計画とバースがどう関係しているのか、噛み合わないと何が起きるのか、そして両者を連携させるための実務的な考え方を整理します。

配車計画とバースの関係を理解する

配車計画とバースは、それぞれ別の担当が管理していることが多く、現場で初めて接点が生まれるケースが少なくありません。まずは両者がどのような役割を持つのか、基本の整理から始めます。

配車計画とは何を指すか

配車計画とは、どのトラックにどの荷物を積み、どの順番でどの拠点を回るかを決める計画のことです。ドライバーの労働時間や車両の積載量、納品先の希望時間帯など、複数の制約を同時に満たしながら組み立てる必要があります。運送会社の規模が大きくなるほど、扱う件数と組み合わせのパターンは増え、人手だけで最適な計画を組むのは難しくなっていきます。

バース(トラックバース)とは何か

バースとは、倉庫や物流センターにおいてトラックが横付けして荷物を積み下ろしする専用のスペースのことです。1つの施設に用意されているバースの数には限りがあり、同時に対応できる台数はおのずと決まっています。バースの数が足りていない、あるいは1台あたりの作業時間が想定より長引くと、後続のトラックは施設の外や周辺道路で順番待ちをすることになります。

両者が噛み合わないと何が起きるか

配車計画がバースの受け入れ能力を考慮せずに組まれていると、同じ時間帯に複数の車両が到着へ集中してしまいます。結果として、バース側では順番待ちの行列ができ、配車計画で見込んでいた所要時間はあっという間に崩れます。1件の遅れが次の配送先の到着時刻にも波及するため、その日1日の配車計画全体がずれ込むことも珍しくありません。

バースの混雑が配車計画に与える影響

バースで待機するトラック

バースの混雑は、単に到着が遅れるという表面的な問題にとどまりません。ドライバーの労働時間管理や、翌日以降の配車計画にまで影響が及ぶ点を押さえておく必要があります。

荷待ち時間が延びる仕組み

バースが埋まっている間、トラックは施設内外で待機するしかありません。この荷待ち時間は、ドライバーからすると仕事をしているにもかかわらず、輸送そのものは前に進んでいない時間です。荷待ちが長引くほど、次の配送先への到着はさらに遅れ、1日にこなせる配送件数そのものが減っていきます。

改善基準告示・430休憩との関係

トラックドライバーの運転時間や休憩の取り方は、厚生労働省の改善基準告示によって定められています。4時間を超えて連続運転する場合には30分以上の休憩を取る必要があり、現場ではこの規定が「430休憩」と呼ばれています。バースでの荷待ちが延びると、休憩を取るタイミングそのものが計画からずれてしまい、法令上の制約と実際の運行スケジュールの間に無理が生じやすくなります。

到着時刻のばらつきが招く連鎖的な遅延

配送先が1か所であれば、多少の遅れは吸収できるかもしれません。ですが実際の配車計画は複数の拠点を回るルートで組まれていることがほとんどです。最初の1件でバース待ちが発生すると、その遅れは次の拠点、さらにその次の拠点へと連鎖していきます。1日の終わりには、当初の計画とはまったく違う時間割になっているという状況も起こり得ます。

バース予約システムを組み込んだ配車計画の考え方

こうした混雑を減らす手段として、近年はバースの空き状況をあらかじめ予約できる仕組みを導入する倉庫や物流センターが増えています。配車計画を立てる側にとっても、この予約情報をどう取り込むかが実務上の課題になります。

バース予約システムでできること

バース予約システムは、荷主や運送会社がトラックの到着時刻を事前に指定し、施設側がその枠を確保する仕組みです。到着時刻が事前に決まっていれば、施設側は受け入れの人員配置を調整しやすくなり、運送会社側もその時刻に合わせて配車計画を組めるようになります。予約という前提があるだけで、当日の突発的な集中を大きく減らすことができます。

配車管理システムとの連携で見えてくるもの

バース予約の情報と、配車管理システム上のルート・時刻データを連携させると、ドライバーの到着予定とバースの空き枠を照らし合わせた計画が立てやすくなります。単独のシステムだけを見ていては気づけない、施設側と運送側それぞれの都合のずれが可視化されるようになるのが大きな利点です。

導入されている代表的なサービスの傾向

物流業界では、Hacobu社の「MOVO Berth」のようなバース予約サービスや、入荷受付・予約に特化したシステムなど、複数のサービスが実用化されています。呼び方や機能の細かい違いはありますが、共通しているのは「到着時刻を事前に見える化する」という発想です。自社の荷量や取引先の数に応じて、どこまでの機能が必要かを見極めることが導入検討の出発点になります。

精度の高い配車計画を組み立てる実践ステップ

配車計画を確認する担当者

システムを導入するかどうかにかかわらず、配車計画とバース運用を近づけるためにできる工夫はいくつかあります。ここでは現場で実践しやすい3つのステップを紹介します。

発着時刻の粒度を細かく設定する

「午前中着」「午後着」といったおおまかな時間帯指定だけでは、複数の車両が同じ枠に集中しやすくなります。可能な範囲で30分単位、あるいは15分単位まで到着時刻の指定を細かくすることで、バースへの到着が分散し、待ち時間そのものを減らすことにつながります。

バース単位の稼働状況を可視化する

倉庫や物流センターごとに、どのバースが何時から何時まで埋まっているのかを把握できる状態にしておくと、配車担当者は「この時間帯は空いていない」という判断を事前にできるようになります。紙の予定表であっても、バース単位で情報を分けておくだけで精度は上がります。

荷主と運送会社で情報を共有する仕組みを作る

バースの混雑は、荷主側の入出荷スケジュールと運送会社側の配車計画がすれ違うことで生まれるケースが多くあります。定期的に情報をすり合わせる場を設ける、あるいは共有できるフォーマットを用意しておくなど、システムに頼らない仕組みづくりも並行して進める価値があります。

システムを入れるだけでは解決しない部分

バース予約システムや配車管理システムは有効な手段ですが、導入すればすべての問題が自動的に解決するわけではありません。運用面での準備が伴わなければ、せっかくの仕組みが十分に機能しないこともあります。

運用ルールの設計が前提になる

予約枠に遅れて到着した場合の扱いや、緊急の荷物が入ったときの優先順位など、システムだけでは決められない運用ルールがあります。こうしたルールを事前に決めておかないと、現場では結局その場の判断に頼ることになり、システムを導入した効果が薄れてしまいます。

現場の運送会社との連携体制が鍵になる

配車計画は自社内だけで完結するものではなく、実際に荷物を運ぶ運送会社との連携があって初めて機能します。バースの予約状況や運用ルールを共有できる相手かどうか、日頃からコミュニケーションが取れているかどうかは、配車計画の精度に直結する部分です。

信頼できる運送会社と組んでバース運用を安定させる

配車計画とバース運用を安定させるためには、システムの整備と同じくらい、日々やり取りする運送会社との関係づくりが重要になります。ここからは、運送会社との接点づくりに役立つサービスとして「ハコプロ」を紹介します。

ハコプロとは

ハコプロは、株式会社LIGOが運営する運送業に特化した運送会社検索サイトです。掲載運送会社数は6万件、営業所数は8.5万件にのぼり、荷主企業は全国47都道府県の中からエリアや車両形状、輸送品目といった条件で運送会社を検索できます。運送会社側は登録料・使用料ともに0円で利用でき、写真や文章の投稿にも回数制限がありません。

ドライバー名鑑で「誰が運ぶか」を可視化する

ハコプロの特徴的な機能の1つが「ドライバー名鑑」です。ドライバーの年齢や社歴、運送にかける想いを掲載することで、荷主企業が「誰が自社の荷物を運んでいるのか」を把握できるようになります。多重下請け構造が常態化している業界だからこそ、担当ドライバーの顔が見える関係は、配車計画やバース運用の細かな調整を進めるうえでも信頼のベースになります。

まずは相談から始める

配車計画とバース運用の噛み合わせに課題を感じている場合、まずは信頼できる運送会社を新たに探すところから見直すのも1つの方法です。ハコプロでは荷主企業・運送会社のどちらの立場からでも検索・問い合わせが可能ですので、自社の状況に合う相談先を探してみることをおすすめします。

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