トラック整備士はきつい?現場のリアルと年収・キャリアの実態
/ ハコプロ編集部

トラック整備士という仕事に関心を持ちながらも、検索すると「きつい」という声が目立ち、一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。実際に自動車整備・修理工の有効求人倍率は5倍を超える水準まで上昇しており、現場の人手不足は深刻です(出典:国土交通省「自動車整備士の確保・育成に係る課題とこれまでの取組」https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001877732.pdf)。人が集まりにくい背景には、体力面や労働環境における「きつさ」が確かに存在します。
この記事では、トラック整備士がきついと言われる具体的な理由を仕事内容から給料事情まで整理し、そのきつさとどう向き合いながらキャリアを築いていけるかを考えていきます。
トラック整備士とはどのような仕事か
「きつい」と言われる理由を理解するには、まず仕事の中身を押さえておく必要があります。トラック整備士は乗用車整備士と同じ自動車整備士の資格を土台にしながら、扱う車両の規模がまったく異なる領域で働く技術者です。
乗用車整備士との違い
乗用車の車検や点検が主体の一般整備工場に対して、トラック整備士は総重量が数トンから十数トンにおよぶ大型車両やトレーラーを対象にします。エンジンやブレーキ、サスペンションといった主要部品のサイズと重量が乗用車の比ではなく、一つひとつの作業に必要な力とスペースが大きく変わってきます。
加えて、運送会社や物流拠点に併設された整備工場で働くケースが多く、日々の点検が事業の稼働そのものを支えているという緊張感もあります。トラックが1台止まれば、その分だけ荷物が運べなくなるためです。
日々の主な業務内容
業務の中心は法定点検や車検整備、日常点検、故障修理です。エンジンオイルやブレーキパッドの交換といった消耗品対応から、エンジンやミッションの分解整備まで幅を持ちます。
- 法定12ヶ月点検・車検整備
- 日常点検・始業前点検の確認と整備
- ブレーキ・タイヤ・足回りの整備
- エンジン・ミッションなど主要部品の修理
- 走行中トラブルへの緊急対応
この業務範囲の広さが、次に述べる体力面のきつさへとつながっていきます。
「きつい」と言われる体力面の理由

トラック整備士のきつさとして真っ先に挙がるのが、体への負担です。大型車両ならではの重さと姿勢の制約が、日常の作業の随所に表れます。
大型パーツの重量と姿勢の負担
大型トラックのタイヤ1本だけでも乗用車の何倍もの重量があり、持ち上げるだけで腰や腕に大きな負担がかかります。車体の下に潜り込んでの作業や、高い位置にあるエンジンルームを覗き込む姿勢も多く、無理な体勢を長時間続けることが少なくありません。
こうした作業は経験を積むことでコツをつかめる部分もありますが、体力の消耗そのものが軽くなるわけではないため、体づくりや作業手順の工夫が欠かせません。
暑さ・寒さ・油汚れとの向き合い方
整備工場は屋外や半屋外の作業スペースを持つことが多く、夏場の炎天下や冬場の底冷えといった気候の影響を受けやすい環境です。エンジンオイルやグリスによる油汚れも避けられず、作業着や手が真っ黒になることも珍しくありません。
ただし近年は空調設備を整えた工場や、防寒・防暑ウェアを支給する運送会社も増えており、環境面の負担は職場によって差が大きい部分でもあります。
突発対応や拘束時間の長さ
トラックは深夜や早朝に稼働することも多いため、走行中のトラブルに合わせて呼び出しが発生する職場もあります。決まった時間に業務が終わらない不規則さが、精神的な負担として語られる要因の一つです。
もっとも、この点についても事業所の車両台数や体制によって実態は大きく異なります。シフト制を整え、緊急対応を当番制で分担している職場であれば、負担は相応に抑えられるでしょう。
待遇面で語られる「きつさ」と年収の実態

体力面と並んで語られるのが、待遇に対する不満です。専門技術と体力を要する仕事である一方、その対価が見合っていないと感じる整備士も一定数存在します。
トラック整備士の年収レンジ
トラック整備士の年収は、未経験からのスタートでは乗用車整備士と大きく変わらない水準からはじまり、経験と資格を積み重ねるにつれて徐々に上がっていく構造が一般的です。大型車特有の専門性が評価されれば、乗用車整備のみを担当するケースよりも高い水準に届くこともあります。
一方で、同じ肩書きであっても事業所によって手当の設計は大きく異なります。資格手当や大型免許手当、深夜対応手当の有無によって、実際の手取りには相応の差が生まれます。
資格・経験による差
自動車整備士は1級から3級まで等級が分かれており、上位資格を取得するほど任される業務の範囲と評価は広がります。大型車を扱う整備士の場合は、これに加えて実務経験そのものが評価対象になりやすい傾向があります。
- 整備士2級・3級などの国家資格の有無
- 大型・特殊車両の整備実績
- 診断機器やデジタル点検ツールへの対応力
- 資格手当・技能手当の支給有無
同じ「トラック整備士」という職種名でも、待遇の中身はこれだけの要素によって変わってきます。求人票の給与欄だけでなく、手当の内訳まで確認する姿勢が欠かせません。
それでもトラック整備士を選ぶ理由
ここまできつさの側面を見てきましたが、それでも大型車の整備を選ぶ人が一定数存在するのも事実です。そこには乗用車整備にはない、この仕事ならではの手応えがあります。
大型車ならではのやりがい
数トンの車体を自分の手で動かせる状態にする作業には、乗用車整備とは異なる達成感があります。構造が複雑な分、原因究明のプロセスも奥深く、経験を重ねるほど任される仕事の幅が広がっていく実感を持ちやすい仕事です。
現場の整備士からは「自分が整備した1台が長距離を安全に走り切ったと聞くと、地味だけれど確かな仕事だと感じる」といった声も聞かれます。
人手不足が生む将来性
冒頭で触れたとおり、自動車整備業界全体の有効求人倍率は全職種平均を大きく上回る水準にあります。整備士を目指す若年層の減少と、車両の高度化に伴う専門性の要求が同時に進んでいるためです。
需要が供給を上回る状況は、裏を返せば経験を積んだ整備士にとって選べる職場が増えていくことを意味します。今後は待遇改善や労働環境の見直しに動く事業所ほど、人材の確保に有利になっていくでしょう。
きつさを避けて働きやすい職場を見極める方法

同じ「トラック整備士」という仕事でも、きつさの感じ方は職場によって大きく変わります。転職や就職を考える際は、次のような観点で職場を見比べておくと判断の材料になります。
職場選びでチェックすべきポイント
- 車両台数と整備士1人あたりの担当台数
- 夜間・緊急対応の当番制や交代制の有無
- 空調・防寒防暑装備など作業環境への投資
- 資格取得支援や手当の具体的な条件
- 年間休日数と有給の取得実績
情報公開に前向きな運送会社を選ぶ
求人票だけでは、実際の職場の雰囲気や整備体制まで読み取るのは難しいものです。だからこそ、自社の働き方や社員の声を積極的に公開している運送会社かどうかは、一つの判断材料になります。情報を隠さずに発信できる会社ほど、労働環境の改善にも前向きである傾向があるためです。
整備士の働きやすさを高めたい運送会社はハコプロへ

トラック整備士のきつさの根っこには、多重下請け構造による利益の圧迫という業界全体の課題があります。株式会社LIGOが運営する運送会社検索サイト「ハコプロ」は、荷主企業と運送会社の直接契約を促進することで、この構造の是正を目指すサービスです。
職場の透明性を可視化する仕組み
ハコプロには「ドライバー名鑑」という機能があり、年齢や社歴、仕事にかける想いを掲載して、誰が現場を担っているかを見える形にできます。整備体制や働く環境についての情報発信にも活用でき、求職者に安心感を伝える手段になります。
掲載運送会社数は6万件、営業所数は8.5万件にのぼり、登録料・使用料はすべて無料です。情報更新の回数にも制限がなく、写真や文章量を気にせず継続的な発信ができます。
直接契約が整備士の待遇改善につながる
荷主企業との直接契約が実現すれば、中間マージンに圧迫されていた利益を確保しやすくなり、その原資を整備士やドライバーの待遇改善に回すことができます。整備士がきついと感じる要因の一部は、突き詰めれば会社の収益構造に起因しているケースも少なくありません。
整備士が働きやすい体制づくりに取り組みたい運送会社の方は、まずはハコプロへの掲載を検討してみてはいかがでしょうか。