食品流通の仕組みと課題|人手不足時代に強い体制の作り方とは
/ ハコプロ編集部

「食品流通」と一言でいっても、生産者がつくった食品が消費者の手元に届くまでには、卸売市場や卸売業者、小売店舗、そして商品を実際に運ぶ運送会社など、多くの関係者が関わっています。日々の買い物で当たり前のように食品を手に取れるのは、この流れが途切れずに機能しているからです。
一方で、トラックドライバーの人手不足や燃料コストの上昇、鮮度管理の難しさなど、食品流通を支える現場は少なくない課題を抱えています。本記事では食品流通の基本的な仕組みから、業界が直面している課題、そして課題に向き合うための具体的な取り組みまでを整理して解説します。
食品流通とは何か
食品流通とは、生産者がつくった食品が卸売や小売といった段階を経て、最終的に消費者の手元に届くまでの一連の流れを指します。単に食品を運ぶだけでなく、価格の形成や在庫の調整、品質を保つための温度管理まで、幅広い機能を含んだ仕組みです。
食品が消費者に届くまでの流れ
多くの食品は、生産者から出荷された後、卸売市場や産地の集荷施設に集められます。そこで仲卸業者や卸売業者が品質や規格を確認しながら値付けを行い、小売店舗や外食企業へと販売していきます。小売店舗に並んだ商品を消費者が購入する、というのが最も一般的な流れです。
近年はこの間に配送センターや物流拠点を挟むケースが増えており、複数の商品をまとめて効率よく運ぶ体制が広がっています。産地から店頭までの距離が長いほど、途中でどれだけ鮮度を保てるかが品質を左右する重要な要素になります。
食品流通に関わる主なプレイヤー
食品流通には、生産者や産地の農協・漁協、卸売市場の卸売業者や仲卸業者、食品メーカー、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売業者、外食チェーン、そして商品を実際に運ぶ運送会社まで、多くの立場の事業者が関わっています。
農林水産省の食品流通構造調査でも、こうした流通経路や事業者の実態が継続的に調査されており、業界全体の構造を把握するうえで参考になる資料となっています。
食品流通の主な仕組みと経路

食品が消費者の手元に届くまでの経路は一様ではなく、扱う品目や事業者の規模によっていくつかのパターンに分かれます。ここでは代表的な三つの経路を取り上げます。
卸売市場を経由する経路
青果や水産物、精肉などの生鮮食品は、産地から卸売市場に集められ、卸売業者がせりや相対取引で価格を決めたうえで、仲卸業者を通じて小売店や飲食店へと渡っていくのが伝統的な流れです。多くの事業者が関わる分、目利きによる品質選別や需給調整が働きやすいという特徴があります。
産直・直接取引による経路
生産者や産地の団体が、卸売市場を介さずに小売店や外食企業と直接取引を行うケースも増えています。中間の段階を減らせるため、生産者の手取りを増やしやすく、消費者に鮮度の高い状態で届けやすいという利点があります。
一方で、取引先を自ら開拓し、安定した数量を確保し続ける必要がある点は、生産者側の負担になり得ます。
ECや通販による経路
インターネット通販や食品ECの広がりにより、生産者や食品メーカーが消費者に直接商品を届ける経路も一般的になってきました。冷凍・冷蔵の配送網が整ってきたことで、これまで流通に乗りにくかった規格外品や地域限定の食品も販売しやすくなっています。
| 経路 | 主な特徴 | 留意点 |
|---|---|---|
| 卸売市場経由 | 目利きによる品質選別と需給調整が働きやすい | 関わる事業者が多く、価格に中間コストが積み上がりやすい |
| 産直・直接取引 | 中間段階を減らし、鮮度の高い状態で届けやすい | 取引先の開拓と安定供給を自ら担う必要がある |
| EC・通販 | 規格外品や地域限定品も販売しやすい | 個別配送のコストとコールドチェーンの維持が課題になる |
食品流通が直面している課題
食品を安定して流通させる仕組みは、ここ数年で大きな環境変化にさらされています。特に深刻なのが、運ぶ人と運ぶコストに関わる課題です。
輸送を担うドライバーの人手不足
トラック運転者の高齢化と若手の不足は、食品流通全体に影響を及ぼす構造的な課題です。時間外労働の上限規制などへの対応が十分に進まなかった場合、営業用トラックの輸送能力は2030年度に34.1パーセント程度不足する可能性があると、国の検討会の試算では示されています(全日本トラック協会「知っていますか?物流の2024年問題」)。
生鮮食品のように鮮度が命の商品ほど、運び手を確保できないことの影響は大きくなります。
多重下請け構造によるコスト圧迫
荷主から運送会社への発注が、二次請け、三次請けと連なっていく多重下請け構造は、運送業界に長く残る商習慣です。仲介の段階が増えるほど中間マージンが積み重なり、実際に荷物を運ぶ運送会社の取り分は薄くなりがちです。
結果として運転者の賃金や労働環境の改善にまで手が回らず、人手不足に拍車をかけるという悪循環が指摘されています。
鮮度管理とフードロスの難しさ
生鮮食品や加工食品の一部は、温度帯を保ったまま運ぶコールドチェーンの維持が欠かせません。輸送や保管の途中で温度管理が崩れると、品質の劣化だけでなく、廃棄によるフードロスの増加にもつながります。需要予測の精度を高め、必要な量を必要なタイミングで届ける体制づくりが、食品流通の現場に求められています。
食品流通の課題に向き合う具体的な取り組み

人手不足やコスト構造の課題は根が深いものですが、取り組み方次第で改善の余地は十分にあります。ここでは食品流通の現場で実際に進められている工夫を三つの視点から整理します。
直接契約で中間コストを見直す
多重下請け構造を見直す動きとして、荷主企業と運送会社が仲介を挟まずに直接契約を結ぶ取り組みが広がっています。中間マージンを抑えられれば、運送会社側は運転者の待遇改善に資金を振り向けやすくなり、荷主側も適正な運賃で安定した輸送を確保しやすくなります。
運行管理やDXで業務を効率化する
配車計画の最適化やドライブレコーダーによる運転データの活用など、DXを取り入れることで、限られた人員でも輸送能力を維持しやすくなります。積載率や走行ルートの見直しだけでも、無駄な走行を減らし、ドライバー一人あたりの負担を軽減できる余地は少なくありません。
ホワイト物流への取り組みを進める
荷待ち時間の削減や適正な労働時間の管理など、運送会社が働きやすい環境づくりに取り組む「ホワイト物流」の考え方も広がりつつあります。荷主側がこうした取り組みを評価し、パートナー選定の基準に組み込むことで、業界全体の労働環境改善を後押しする流れにつながります。
どの経路で仕入れ、どの段階で中間コストが発生しているのかを整理します。
自社の取扱品目や配送量に合わせて、優先して着手する施策を決めます。
導入して終わりにせず、輸送コストや納期の安定度を定期的に見直します。
食品流通を支える運送パートナー選びにハコプロを役立てる
食品流通の課題に向き合ううえで、どの運送会社と組むかは荷主企業にとって重要な意思決定です。ここで選択肢の一つになるのが、運送会社検索サイト「ハコプロ」です。
ハコプロは株式会社LIGOが運営する運送会社検索サービスで、掲載運送会社数は約6万件、営業所数は約8.5万件にのぼります。全国47都道府県に対応しており、冷凍・冷蔵車などの車両形状に加えて、食品や農産物といった輸送品目でも運送会社を絞り込んで検索できる点が特徴です。
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ドライバーの年齢・社歴・仕事への想いを公開する仕組みで、荷主企業が運送会社を選ぶ際の判断材料になります。
今までは運送会社が見えませんでしたが、直接契約することで余分な中間マージンがかかっていたことにも気付きました(北海道の荷主企業社長)
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