2024年問題で250km輸送はどう変わる|対策と直契約の選び方
/ ハコプロ編集部

2024年問題で「250km」が目安とされる理由
物流業界で語られる2024年問題のなかでも、「片道250km」という数字を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。この数字は法律の条文にそのまま書かれているわけではありません。トラックドライバーの労働時間規制から逆算された、いわば実務上の目安として広まった数字です。まずはこの数字がどこから出てきたのかを整理しておきます。
時間外労働の上限規制と改善基準告示
2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働の上限は年間960時間に規制されました。あわせて厚生労働省が定める改善基準告示も改正され、1日の拘束時間や運転時間の目安がより厳格になっています。拘束時間は原則として1日13時間以内、上限は15時間までとされ、16時間を超える運行は認められません。運転時間についても、2日平均で1日あたり9時間以内という基準が設けられています。
こうした基準のもとでは、休憩や荷積み・荷下ろしの時間を差し引くと、実際にハンドルを握れる時間はさらに限られてきます。長距離輸送の現場では、これまで当たり前だった運行スケジュールを見直さざるを得ない状況が生まれているのです。
なぜ「片道250km」がひとつの分岐点になるのか
高速道路を利用した場合の平均的な走行速度と、1日あたりの実質的な運転可能時間をかけ合わせると、日帰りで無理なく往復できる距離の目安がおおよそ片道250km前後になる、という考え方がよく紹介されています。逆にいえば、片道250kmを超える輸送では、日帰りでの往復がこれまでよりも難しくなり、宿泊を伴う運行や中継輸送への切り替えが必要になる場面が増えてくるということです。
この「250km」はあくまで目安であり、道路状況や荷物の積み下ろしにかかる時間によって前後します。とはいえ、自社の主要な輸送ルートがこの距離をまたいでいるかどうかは、対策を考えるうえでの重要な判断材料になります。
1日に運べる距離はどこまで短くなるのか
2024年問題によって走行距離がどの程度変わるのかは、輸送する距離帯によって影響の出方が異なります。ここでは長距離輸送と中距離・近距離輸送に分けて、それぞれの変化を見ていきます。
長距離輸送で起きる変化
これまで1日あたり500〜600km程度を走行していた長距離輸送では、拘束時間や運転時間の規制強化により、実質的な走行距離が350〜400km程度まで落ち込むと見込まれています。片道250kmを超えるルートでは、従来のように1人のドライバーが日帰りで往復することが難しくなり、複数日にわたる運行や中継地点での運転手交代が現実的な選択肢として浮上してきます。
結果として、同じ荷量を運ぶために必要な運行回数が増え、車両とドライバーの稼働をより効率的に組み立てる必要が出てきます。
中距離・近距離への波及
片道250km前後、あるいはそれ以下の中距離輸送であっても、休憩や荷役にかかる時間が積み重なることで、これまでより余裕のあるスケジュール組みが求められるようになっています。近距離の配送であっても、複数拠点を回るルート配送では拘束時間の上限に達しやすく、無理のない運行計画への見直しが進んでいます。
- 長距離輸送は日帰り往復から中継輸送・複数日運行へ移行しやすい
- 中距離輸送も拘束時間の上限を意識したルート再設計が必要
- 近距離のルート配送でも荷役時間の圧縮が課題になりやすい
250km圏の輸送で起きる具体的な影響
片道250km前後の輸送距離を抱える荷主企業や運送会社にとって、2024年問題は単なる法改正にとどまらず、日々の業務そのものに影響を及ぼします。ここでは現場で実際に起きやすい変化を具体的に見ていきます。
運行回数の減少と積載効率の低下
1台のトラックが1日に運べる距離が短くなるということは、同じ荷量を運ぶために必要な運行回数が増えることを意味します。運行回数が増えれば、その分だけ人件費や燃料費、車両の稼働コストもかさみやすくなります。荷主企業からすると、これまでと同じ運賃感覚で発注し続けることが難しくなる局面も出てくるでしょう。
中継輸送という選択肢の広がり
片道250kmを超えるルートでは、中間地点でドライバーを交代する中継輸送の仕組みが注目されています。中継輸送では、それぞれのドライバーが担当区間を日帰りで運行できるため、拘束時間の上限を守りながら長距離の荷物を届けることが可能になります。ただし、中継拠点の確保や運送会社同士の連携体制づくりには一定の準備期間が必要です。
荷主企業のコストとリードタイムへの影響
運行回数の増加や中継輸送の導入は、輸送コストの上昇やリードタイムの変化につながりやすいポイントです。荷主企業としては、発注のタイミングを前倒しする、あるいは在庫の持ち方を見直すといった対応が求められる場面も出てくると考えられます。取引先の運送会社がどのような体制で250km圏の輸送に対応しているかは、事前に確認しておきたいところです。
物流企業と荷主企業がとるべき対策
2024年問題への対応は、運送会社だけの課題ではありません。荷物を運んでもらう荷主企業も含めて、双方が対策を講じることで初めて実効性のある改善につながります。ここでは代表的な対策を紹介します。
モーダルシフトと共同配送の活用
トラックによる長距離輸送の一部を鉄道や船舶に切り替えるモーダルシフトは、ドライバーの拘束時間を圧縮しながら大量の荷物を運ぶ手段として注目されています。また、複数の荷主が同じ方面への荷物をまとめて運ぶ共同配送も、車両の積載効率を高めながら運行回数を抑える対策として有効です。
中継拠点の設置とドライバーの負担軽減
片道250kmを超える幹線ルートを抱える運送会社では、中継拠点を設けて長距離区間を分割する取り組みが進んでいます。中継拠点があれば、ドライバーは自宅に近い区間だけを担当できるようになり、長時間の宿泊を伴う運行が減ることで、労働環境の改善にもつながります。
荷待ち・荷役時間の削減
拘束時間のなかで意外と大きな割合を占めるのが、荷物の積み下ろしを待つ荷待ち時間です。荷主企業側で入出荷のスケジュールを事前に調整し、荷待ち時間を短縮するだけでも、ドライバーが運転に使える時間を実質的に増やすことができます。パレット化や自動化設備の導入も、荷役時間の圧縮に効果があるとされています。
信頼できる運送会社を見つけるという視点
ここまで見てきたように、250km圏の輸送で2024年問題の影響を抑えるには、運送会社側の体制づくりと荷主企業側の理解、その両方が欠かせません。だからこそ荷主企業にとっては、自社の輸送ルートに合った体制を持つ運送会社と出会えるかどうかが、これまで以上に重要な意味を持つようになっています。
運送会社を選ぶ際に確認したいポイント
取引先を選ぶ際には、単に運賃の安さだけで判断するのではなく、中継輸送や共同配送への対応力、ドライバーの労働環境への配慮といった観点も確認しておきたいところです。長距離ルートを安定して運んでもらうためには、こうした体制を持つ運送会社と長く付き合える関係を築くことが結果的にコストの安定にもつながります。
直接契約という選択肢
物流業界では、荷主企業と運送会社のあいだに複数の下請け会社が入る多重下請け構造が根強く残っています。中間マージンが積み重なることで、荷主が支払う運賃と、実際に荷物を運ぶ運送会社が受け取る収入との間に大きな差が生じやすいのも実情です。この構造を見直し、荷主企業と運送会社が直接つながる仕組みとして、運送会社検索サイト「ハコプロ」が運営する「ハコブログ」では、こうした情報発信を行っています。
ハコプロには全国6万件以上の運送会社が登録されており、車両形状や輸送品目、対応エリアといった条件から自社に合った運送会社を検索できます。なかでも「ドライバー名鑑」という機能では、実際に荷物を運ぶドライバーの経歴や仕事への想いを確認できるため、初めて取引する運送会社であっても、どのような人が荷物を運んでくれるのかを事前に把握しやすくなっています。
まとめ|250km圏の輸送体制はハコプロにご相談ください
2024年問題における「250km」という目安は、時間外労働の上限規制や改善基準告示の改正によって、日帰りで運べる距離がこれまでより短くなったことから生まれた考え方です。長距離輸送を中心に運行回数の増加やコスト上昇、リードタイムの変化といった影響が広がりつつあり、モーダルシフトや中継輸送、荷待ち時間の削減といった対策が各所で進められています。
自社の輸送ルートが250km圏を含む場合、運送会社との協力体制をどう組み立てるかは、今後の事業運営を左右する重要なテーマになってきます。多重下請け構造を経ずに、直接契約という形で信頼できる運送会社と出会いたい荷主企業の方は、ぜひ一度ハコプロをご覧ください。掲載運送会社数や営業所数の豊富なデータベースから、自社の輸送ニーズに合った協力先を探すお手伝いをいたします。