運送業で荷主探しを成功させる基本|6つの方法とハコプロ活用のコツ
/ ハコプロ編集部

荷主探しを始める前に押さえておきたい基礎

運送業の経営で避けて通れないのが、仕事を発注してくれる相手、つまり荷主をどう見つけるかという課題です。ドライバーを雇い、車両を維持していても、荷物を運ぶ相手がいなければ収益にはつながりません。しかも近年は燃料費や人件費が上がり続けている一方で、案件の単価は簡単には上がらない構造が続いています。荷主探しの手を止めてしまうと、空車の時間がそのまま赤字に直結してしまう業界だといえるでしょう。
まずは荷主探しを考えるうえで前提になる言葉と構造を整理しておきます。ここを曖昧にしたまま営業活動を始めると、せっかく獲得した案件が薄利になってしまうことがあるためです。
荷主とは何を指す存在か
荷主とは、運送会社に対して荷物の輸送を依頼する側の企業や個人事業主のことです。メーカーや卸売業者、小売店、EC事業者など業種は幅広く、定期的に大量の荷物を運ぶ企業もあれば、必要なときだけスポットで依頼する荷主もいます。
運送業界では、この荷主から仕事を受ける経路が一本ではなく、いくつもの階層に分かれているのが特徴です。荷主から直接仕事を請ける一次請けの立場もあれば、元請けとなる運送会社からさらに仕事を回してもらう二次請け、三次請けという立場も珍しくありません。
直荷と下請けで変わること
荷主から直接依頼を受ける形態は「直荷」と呼ばれ、中間に入る会社が少ない分、運賃の取り分が大きくなりやすい傾向があります。一方で下請けの立場は、案件の窓口となる元請け会社が営業や与信管理を担ってくれるため、営業に割く時間が少なくて済むという利点があります。
どちらが正解というわけではなく、自社の車両数や営業体制、これまでの取引実績に応じて使い分けることが現実的です。直荷を増やしたい会社であっても、まずは下請け案件で実績と信頼を積み、そこから荷主との直接契約に踏み出すという流れをたどるケースが多く見られます。
運送業の荷主探しで実践されている6つの方法

荷主を探す方法は一つではありません。それぞれの方法には得意な場面と苦手な場面があるため、自社の状況に合わせて組み合わせることが実際の営業では重要になります。ここでは代表的な6つの方法を、成果につながりやすい順に紹介します。
既存の取引先を深掘りする
もっとも着手しやすいのは、すでに取引のある荷主から仕事の幅を広げてもらう方法です。担当エリアを増やしてもらう、繁忙期のスポット便を任せてもらうなど、信頼関係がある相手であれば話が早く進みやすいという特徴があります。新規開拓に比べて営業コストがほとんどかからない点も大きな魅力です。
協力会社や同業者からの紹介を受ける
同業者や協力関係にある運送会社から、手が回らない案件を紹介してもらう方法です。業界内のつながりがものをいう部分ではありますが、地域の運送業組合や勉強会などに参加することで接点を作ることもできます。紹介案件は最初から一定の信頼が担保されているため、条件交渉がスムーズに進みやすいという利点があります。
配送マッチングサービスを利用する
インターネット上で荷主と運送会社をつなぐ配送マッチングサービスを使う方法です。空いている車両情報を登録しておくと、条件に合う荷物情報が届く仕組みで、営業の手間を大きく減らせます。ただしサービスによっては仲介手数料が発生したり、単価が相場より低めに設定されていたりするため、複数のサービスを比較して使い分ける視点が欠かせません。
荷主へ直接営業をかける
電話や訪問、問い合わせフォームなどを使い、荷主候補の企業へ直接アプローチする方法です。地道な作業になりますが、成約すれば中間マージンが発生しないため、単価面では最も有利になりやすい方法でもあります。営業先の選定では、自社の得意な車種やエリア、温度帯に合致する企業を優先的にリストアップすることが成果につながります。
自社サイトやSNSで情報発信する
自社の対応エリアや車両、得意分野をウェブサイトやSNSで発信し、荷主から見つけてもらう方法です。即効性は低いものの、一度整えておけば24時間問い合わせの窓口として機能し続けます。ドライバーの人柄や現場の様子を発信することは、荷主にとって「誰が荷物を運んでくれるのか」が見える安心材料にもなります。
求貨求車の掲示板を使う
荷物を運びたい会社と、荷物を運んでほしい会社の情報を突き合わせる掲示板型のサービスです。帰り荷を探す際に活用されることが多く、空車で戻る無駄を減らせる点が評価されています。会員数の多い掲示板ほど案件は見つかりやすい一方、単価は相場並みかそれ以下になりやすい傾向もあります。
ここまでの方法を整理すると、それぞれ得意な場面が異なることが見えてきます。次の表で大まかな傾向を確認してみましょう。
| 方法 | 成果までの速さ | 単価の傾向 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 既存取引先の深掘り | 早い | 高め | 信頼関係がすでにある場合 |
| 紹介 | 早い | 中〜高 | 同業ネットワークがある場合 |
| 配送マッチングサービス | 早い | 中〜やや低め | 空車をすぐ埋めたい場合 |
| 直接営業 | 時間がかかる | 高め | 直荷を増やしたい場合 |
| 自社サイト・SNS | 時間がかかる | 中〜高 | 中長期で問い合わせ導線を作りたい場合 |
| 求貨求車掲示板 | 早い | 中〜低め | 帰り荷など空車対策をしたい場合 |
マッチングサービスを選ぶときに見ておきたい点

配送マッチングサービスや求貨求車サービスは種類が多く、登録すれば案件が自動的に増えるという単純な話ではありません。契約前に確認しておきたい点を押さえておくと、後になって条件面で悩む事態を避けやすくなります。
単価の決まり方と手数料の仕組み
サービスによって、荷主が提示した金額がそのまま運賃になるものと、サービス側が仲介手数料を差し引くものがあります。表示されている案件単価が手数料込みなのか、別途差し引かれるのかを事前に確認しておくことは基本中の基本です。
スポット案件か継続案件かの傾向
マッチングサービスは急な空車を埋めるスポット案件に強い一方、荷主と長期的に取引を続ける定期便には向かない場合があります。継続的な収益を安定させたいのであれば、スポット対応のサービスと、直接契約につながりやすいサービスを組み合わせる発想が必要になります。
与信・支払いサイトの確認
初めて取引する荷主については、支払いサイトや与信状況を確認しないまま案件を受けてしまうと、入金が遅れるといったトラブルにつながりかねません。マッチングサービスの中には運送会社の与信リスクを一定程度カバーしてくれる仕組みを持つものもあるため、契約条件の確認は欠かせない工程です。
荷主から選ばれる運送会社に共通する条件

荷主探しの方法をどれだけ増やしても、最終的に選ばれるかどうかは自社の見え方にかかっています。特に近年は、運送会社側の情報開示が荷主の意思決定に大きく影響するようになってきました。
実績とドライバー情報の開示
物流業界では2次請け、3次請け、時には5次請けや6次請けまで多重下請けの構造が残っている現場もあります。荷主にとっては、実際に誰が自分の荷物を運んでいるのかが見えにくいことが不安材料になりやすい部分です。だからこそ、対応実績や在籍ドライバーの情報を具体的に開示できる会社は、それだけで比較優位に立てます。
対応エリアと車両の明確化
「何でも運べます」という抽象的な打ち出し方より、対応エリア、車両の種類、冷凍冷蔵の可否、特殊車両の有無を具体的に示す方が、荷主にとって判断しやすくなります。得意分野を絞り込んで発信することは、営業効率を高めるうえでも有効な考え方です。
ホワイト物流への取り組み
長時間労働の是正や適正運賃の収受といった、いわゆるホワイト物流への取り組みは、単なる社会的責任にとどまらず、荷主選びの判断材料としても重視されるようになってきています。労働環境の改善に取り組んでいる姿勢を対外的に示すことは、中長期で見た信頼構築につながります。
荷主探しを一過性で終わらせないための運用
荷主探しは一度成功すれば終わりというものではありません。荷主側の事業状況や取引方針は変わっていくため、案件が途切れるリスクは常に存在します。だからこそ、探し方そのものを日常業務の中に組み込んでおく発想が求められます。
複数チャネルを並行して使う
既存取引先の深掘り、紹介、マッチングサービス、直接営業のいずれか一つに頼り切ると、その経路が細くなったときに案件全体が減ってしまいます。窓口を複数持っておくことで、どれか一つが不調でも他でカバーできる体制を作れます。
数字で振り返り改善する
問い合わせ件数、成約率、失注理由といった数字を簡単にでも記録しておくと、どの経路が自社に合っているかが見えてきます。感覚だけで営業方針を決めるより、実際の数字をもとに時間の配分を調整するほうが、長い目で見た成果につながりやすいといえるでしょう。
運送会社の情報を可視化して直接契約につなげるハコプロ

ここまで紹介してきた荷主探しの考え方を踏まえたとき、実務的に役立つ選択肢の一つが運送会社検索サイト「ハコプロ」です。株式会社LIGOが運営し、荷主企業と運送会社の直接契約を後押しするサービスとして提供されています。
ハコプロとは何か
ハコプロは2024年8月にリリースされた運送業に特化した検索サイトで、掲載運送会社数は約6万件、営業所数は約8.5万件にのぼります。荷主企業はエリアや車両形状、輸送品目といった条件から運送会社を検索し、気になる会社があれば直接問い合わせる仕組みです。
ドライバー名鑑という差別化
ハコプロの特徴的な機能が「ドライバー名鑑」です。ドライバーの年齢や社歴、運送にかける思いを掲載できる仕組みで、多重下請けが常態化しがちな業界の中で「誰が荷物を運ぶのか」を可視化します。実際に北海道の運送会社からは「荷主から直で連絡をもらえたことが一番有難い。荷主との直接契約で一次請けになれば、交渉もできる」という声も寄せられています。
掲載無料で始められる
運送会社側の掲載料、登録料、使用料はすべて無料で、情報更新の回数にも制限がありません。写真やテキストの投稿量にも制限がないため、自社サイトを新たに作る余力がない会社でも、実績やドライバー情報を継続的に発信できます。栃木県のある事業者からは「簡単に写真をアップしたり、無料なのに何回でも更新できるので愛用している」という声も上がっています。
まとめ|荷主探しは仕組み化とハコプロの活用で進める
運送業の荷主探しは、既存取引先の深掘りから直接営業、マッチングサービス、情報発信まで、複数の方法を組み合わせて初めて安定します。どれか一つの方法に依存すると、その経路が細った瞬間に売上が揺らいでしまうためです。
あわせて、荷主から選ばれる会社になるためには、実績やドライバーの情報をどれだけ具体的に開示できるかが分かれ目になります。多重下請けの構造が残る業界だからこそ、情報の透明性がそのまま信頼につながります。
自社の情報を無料で発信しながら荷主との直接契約を目指したい場合は、ハコプロへの掲載を検討してみてください。ハコプロとは?(運送会社向け)のページから詳しい仕組みを確認できます。掲載に関する相談や問い合わせはお問い合わせフォームから受け付けています。