トラック標識の何トン規制|対象車両の見分け方と通行許可の基準
/ ハコプロ編集部

道路脇に立つ「トラックのシルエットに斜線」の標識を見て、自分の車が対象になるのか判断に迷った経験はないでしょうか。答えを先に言うと、補助標識が付いていない場合は「車両総重量8トン以上、または最大積載量5トン以上」のトラックが通行止めの対象です。車両総重量8トン未満かつ最大積載量5トン未満のトラックであれば、補助標識がない限りそのまま通行できます。ただし補助標識に具体的な数字が書かれている場合は、その数字が優先されるため注意が必要です。この記事では、標識が対象とする車両の区分から、間違えやすい標識との違い、通行許可の取り方までを整理します。
トラックの標識は何トンから対象になるのか

「大型貨物自動車等通行止め」と呼ばれるこの標識は、補助標識がない状態では車両総重量8トン以上、または最大積載量5トン以上のトラックを通行禁止の対象にしています。逆にいえば、最大積載量4トン以下の普通貨物車は、補助標識が付いていない限り通行が可能です。現場で目にする標識には数字が書かれていないケースが多いため、対象車両かどうかは自車のスペックと照らし合わせて判断する必要があります。
補助標識がない場合の基準は総重量8トンまたは積載量5トン
本標識の下に補助標識が設置されていない場合、規制の基準は「車両総重量8トン以上」または「最大積載量5トン以上」のどちらかに該当するかどうかです※1。この数値は2007年の免許制度改正以前に「大型自動車」とされていた区分にあたり、現在の免許区分でいう中型・大型のトラックがおおむね該当すると考えるとわかりやすいでしょう。最大積載量5トン以上のトラックであれば規制対象、3トンのトラック(車両総重量8トン未満)であれば対象外という形で、自車の車検証に記載された車両総重量と最大積載量を確認すれば判断できます。
荷主から急な配送依頼を受けた際、車両スペックを把握しないまま走行ルートを決めてしまうと、標識の手前で引き返すことになりかねません。積載量の数値は感覚で覚えるのではなく、車検証や車両管理台帳で毎回確認する習慣をつけることをおすすめします。
補助標識に「積○t」とある場合はその数字が優先される
本標識の下に「積3t」や「積2t」といった補助標識が併設されている場合は、そちらの数字が規制の基準になります。たとえば「積3t」であれば、最大積載量3トン以上のトラックはすべて通行禁止です。基本ルールである5トンよりも厳しい数字が指定されているケースが大半なので、補助標識を見落とすと軽トラックに近い車両でも違反になる恐れがあります。
補助標識の数字は自治体や道路管理者が個別の道路事情に応じて設定しているため、同じ「トラック通行止め」でも路線によって基準はまちまちです。初めて走る道では、本標識だけでなく足元の補助標識まで目を配ることが欠かせません。
標識の対象になる車両の種類
「何トンから」という重量の基準だけでなく、道路交通法上どの車両区分が対象になるのかを押さえておくと、標識の意味をより正確に理解できます。対象は大きく分けて3種類あり、いずれも貨物や特殊作業を目的とした大きめの車両です。
大型貨物自動車
車両総重量11トン以上、または最大積載量6.5トン以上の貨物自動車です。10トン車や11トン車と呼ばれる長距離輸送の主力車両が該当し、標識の対象になることに疑いの余地はありません。
特定中型貨物自動車
車両総重量8トン以上11トン未満、または最大積載量5トン以上6.5トン未満の貨物自動車を指します※1。現在の免許区分では中型に分類される車両ですが、2007年の法改正より前は大型自動車として扱われていた経緯があり、標識のうえでは今も大型と同等の扱いを受けています。7トン車や8トン車を保有する事業者が見落としやすい区分なので、車両台帳での確認が特に重要です。
大型特殊自動車
ショベルカーやクレーン車など、建設現場で使う特殊車両も対象に含まれます。貨物の運搬を主目的としない車両であっても、車体の大きさによって規制対象になる点は見落とされがちです。工事関係の車両を手配する際は、運送会社側にもこの区分を伝えておくと手戻りを防げます。
間違えやすい標識との違い

道路標識には形や色が似ていても意味がまったく異なるものが複数存在します。とっさの判断で見誤ると、規制対象ではない道を避けてしまったり、逆に対象の道路へ進入してしまったりするおそれがあるため、代表的な混同パターンを整理しておきましょう。
大型乗用自動車等通行止めとの違い
バスのシルエットが描かれた「大型乗用自動車等通行止め」は、乗車定員30人以上のバスなど旅客車両を対象とする別の標識です。トラックのシルエットが描かれた標識とは規制対象が異なるため、貨物車が乗用車向けの標識に従う必要はありません。とはいえ、シルエットの向きや車体の描き方が似ているものもあり、瞬間的な視認では混同しやすい点に注意が必要です。
重量制限・高さ制限標識との違い
丸い標識に数字だけが書かれた「重量制限」や「高さ制限」は、対象車両を問わず一律の重量・高さを超える車両すべてを規制する標識です。一方でトラックのシルエットが描かれた通行止め標識は、特定の車両区分そのものの通行を禁止するものであり、規制の考え方が根本的に異なります。橋やトンネルの手前では両方の標識が同時に設置されていることも多く、片方だけを確認して安心するのは危険です。
通行区分の標識との違い
特定の車両を特定の車線に誘導する「特定の種類の車両の通行区分」の標識は、通行そのものを禁止するのではなく走行位置を指定するものです。通行止めと混同すると、本来なら通れる道を避けてしまい、無駄な迂回で配送時間をロスすることになりかねません。標識の色や図柄が青系であるか赤系であるかを見比べる癖をつけておくと、瞬時の判断がしやすくなります。
標識のある道路を通行する方法
やむを得ず規制対象の道路を通らなければならない事情がある場合、通行止めの標識があっても諦める必要はありません。所定の手続きを踏めば、特例として通行が認められる制度が用意されています。
警察署長から通行許可を取る
規制区間を管轄する警察署に、通行禁止道路通行許可申請書を提出することで通行が認められる場合があります。申請書には通行する日時や区間、車両の諸元、通行が必要な理由を記載し、車検証の写しなどを添えて提出するのが一般的な流れです。荷主の指定する納品先が規制区間の内側にあるといった具体的な理由が求められるため、事前に配送ルートを整理してから申請に臨むとスムーズでしょう。
許可証の携帯と提示義務
許可を得たあとは、許可証を必ず車内に携帯し、警察官から求められた際にはすぐ提示できるようにしておく必要があります。許可証を忘れて出発してしまうと、実際には許可を受けていても無許可通行と同様の扱いを受けかねません。定期的に同じ規制区間を走る事業者は、許可証のコピーを配車担当が管理し、運行のたびにドライバーへ手渡す仕組みを整えておくと安心です。
許可までにかかる期間と手数料
審査には数日から1週間程度を要することが一般的で、繁忙期や書類の不備があるとさらに時間がかかる場合もあります。手数料は申請1件あたり数百円程度に設定されている警察署が多いものの、細かな金額や必要書類は管轄によって異なるため、事前に窓口へ問い合わせておくと確実です。急な配送依頼のたびに慌てて申請することがないよう、定常的に使う規制区間についてはあらかじめ許可を取得しておく運用が現実的といえます。
違反した場合のリスク
標識を見落として規制区間に進入してしまった場合、単なる注意で済まされるわけではありません。違反の種類によって科される罰則が異なる点も押さえておきましょう。
通行禁止違反の罰則
許可を取らずに規制区間へ進入した場合は「通行禁止違反」として取り締まりの対象になります。反則点数と反則金が科されるほか、悪質なケースでは刑事罰の対象になる可能性もゼロではありません※2。ドライバー個人の違反歴として累積するだけでなく、事業者としての安全運転管理体制そのものが疑われる材料にもなりかねません。
許可条件違反も罰則の対象
通行許可を受けていても、許可された時間帯や区間、車両以外で通行した場合は「許可条件違反」として扱われます。許可を取ったから安心と油断せず、許可証に記載された条件を毎回確認したうえで走行することが求められます。
車両総重量や最大積載量は経年での改造・架装変更によって変わることがあります。特に荷台の架装を追加した際は、車検証記載の数値を必ず再確認してください。
出発前に規制情報を確認する方法

初めて走るエリアや久しぶりに通るルートでは、現地に着いてから標識の存在に気づくのではなく、出発前の段階で規制情報を確認しておくことが遠回りや違反を防ぐ近道です。個人の経験や勘だけに頼らない仕組みづくりが求められます。
トラック専用ルート検索サービスの活用
近年は車両の高さ・幅・重量を入力すると、通行できない道路を自動で避けてくれるトラック専用のナビゲーションサービスが普及しています。乗用車用のカーナビでは規制情報が反映されないことも多いため、貨物車両向けに設計された地図データを使うことが安全なルート選定の第一歩になります。
運行管理者による事前チェック体制の構築
ドライバー個人の判断に任せきりにするのではなく、運行管理者が配車の段階で規制情報をチェックするフローを組み込んでおくと、見落としのリスクを組織的に減らせます。新人ドライバーが不慣れなエリアを担当する際は特に、事前のルート確認を業務フローの必須項目として位置づけておくとよいでしょう。
規制対応をチームで支える体制づくりならハコプロへ
トラックの標識規制は、車両のスペックとルートの組み合わせによって毎回条件が変わるため、1社だけで全国のあらゆる区間を把握し続けるのは容易ではありません。特に長距離輸送では、規制区間を避けられる提携運送会社との協力体制があるかどうかが、配送の安定性を大きく左右します。
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