ファイナンス活用による黒字拡大・経営改善のポイント 『生き残れ!2024労働改革を乗り越える為に』

物流業界向け支援サービスを行っている株式会社グリーンベルの代表取締役の葛西宣行氏に、同業界が直面している課題とその解決策についてお話を伺いました。
2024年の労働改革への対応や生き残る為に必要な運送業の設計について、豊富な経験と知識をもとに深い洞察を語って頂きました。
株式会社グリーンベルは…
運送事業者向けのファイナンスサポートを中心に、事業分析、収益性や生産性の可視化、事業改善計画などのコンサルと、納期の掛かるトラックの新古車、中古車の販売、中古トラック情報誌”ゲットラック“の発行などを行い誌面でも経営に纏わる情報の提供サービスを行っています。
詳しくはこちら▶ https://www.green-bell.net/
運送業界の現状と課題

Q: 2024年の労働改革により運送業界はどのような影響を受けているのでしょうか?
『2019年から始まった労働改革により、運送業界は2024年までの5年間を準備期間として対応を進めてきましたが、労働時間の短縮は簡単ではなく、トラックのスピードアップや積込時間、待機時間の短縮などの対応が必要ですが、現時点では全く追いついてないのが現状です。そんな中労働時間の上限の規制により労働工数(人数)が不足し、稼働率も悪い影響を受けています。』
Q:その理由について詳しく教えてください
『運送会社の平均労働時間を16%から20%程度短縮しなければならないのですが、この負担を誰が担うのか大きな課題となっています。さらに燃料費の高騰やトラック価格の上昇など輸送コストも上がっている中で労働時間を短縮しなければならないという課題が重なっております。荷主も運送事業者も両社が負担を強いられている状況です。荷主も運送事業者も吸収出来る範囲を大きく超えてしまっている、という事です。』
運賃交渉(適正化)の重要性

Q:物流コストの上昇分を製品に価格転嫁しなければなりませんよね、そんな中で運賃交渉を進める上で重要なポイントを教えてください。
『いつの時代もそうですが、お客様が望んでいる事は3つありまして、“低価格、”高品質“、”安定供給“なんです。しかしながら現在は原材料ベースで値上りしており、値上りする中でも低価格を目指さなければなりません。品質や供給も収益ベースに乗らない事業は撤退せざるを得ませんので、まず収益ベース、運賃の適正化が最重要課題かと思います。それには先ず、コストの可視化が重要です。燃料費の上昇やトラックの価格の高騰、人件費の情報分などの避けられないコストの増加については、可視化された原価データに基づいて説明する事で、荷主にも理解頂きやすくなります。
また自社の生産性などの経営改善を行った上で輸送コストを可視化して運賃交渉に臨む事で、荷主もエビデンスに基づいた交渉を受ける事で、建設的な話し合いが可能となります。
具体的には以下の7つの項目に輸送原価を振り分けます。
人件費(運転手、社会保険込み)
燃料代
トラック償却(リース料)
保険料
修繕費
高速代
販売管理費
荷主から受注した運送業務の原価構成をちゃんと把握し、荷主から頂く運賃が経費以上であるかを知っておかなければなりません。
また運送事業者はこの原価の分配率を覚えておく必要があります。
その上で荷主に交渉をしていきますが、お客様が納得の行く運賃になる様に、自分の会社の収益性や生産性を改善していく必要があります。
自社の収益性や生産性を上げる方法

Q:収益性や生産性とありますが、運送事業におけるそれの上げ方を教えてください。
『ほとんどの運送会社の社長は自分の会社の生産性(間接コスト率)や収益性をすぐ答えられる人は居ません。 せめて過年度の決算の間接コスト率は頭に入れ、改善目標として計画しておかなければ生産性の向上のゴールは達成出来ないでしょう。なので、このサイトを読んだ方は少なくとも、物流業界の上位の見識を持つことになるでしょう。
さて生産性を上げて行く話の前に、先ずは収益性の意味を知らなければなりません。 事業収益、事業収支から一応解説しましょう。
今月の入金額と支払い額の差はキャッフロー収支といって利益計算ではありません。キャッシュフロー経営は必要ですが、もっと必要な収支管理をしていかなければなりません。次に今月の利益が黒字だった、赤字だったという通常理解されている収支は会計上の収益となります。
私のいう運送事業の収益性とは10年間の平均した利益率を指します。償却額を平準化した時の利益率です。
ピンとこない方は多いと思いますが、同じ運賃でもトラックの償却やリース料の有無によって収益は変動するわけです。5年償却のトラックを前半の償却期と後半の回収期に分かれた利益率を平準化した物を収益性と定義しております。簡単にいうと古いトラックで営業をしている事業所は黒字化するのは当たり前で、設備投資をした事業所は当然赤字化します。これでは収益の良し悪しは判断できません。よって10年平均した償却率の時にいくらの収益性があるかを確認しなければ分かりません。その収益性がマイナスであれば10年経過した時点で赤字になっている。という事が一瞬で分かるのです。赤字の事業者はトラックの耐用期間を伸ばしてカバーします。』
収益性の理解から生産性の上げ方について

『自分の会社の収益性が理解出来たら生産性を確認しましょう。 運送事業者の生産性はいくつかありますが、ここでは間接コスト率の見直しで、原価率を下げ、荷主に選ばれる事業構造を作っていきます。』
生産性の上げ方の前に自分の会社の輸送原価構成を知ろう
『運送事業を営んでいる人は先に上げた7つの輸送原価を理解し、実際の運行の輸送原価の可視化をしてみましょう。 売り上げる為にかかる経費は製造原価と言い、売上に比例してかかる経費の事です。それに反して売上が上がってもやり方次第では経費を抑えられる経費が間接コスト、会計で言う販売管理費です。 この販売管理費があなたの会社は何%か!これを答えられなければ、生産性の向上に向かえません。 7つの原価で原価計算が簡単に出来るアプリ【運送会計.Com】で走行距離と高速代を入力すれば一般的な輸送原価を確認できます。自分の会社の経費率に置換えて可視化する事が出来ます。』
https://unsoukaikei-app.com/ (走行距離だけで輸送原価が分かるアプリ)
原価構成を知ったら生産性の向上に
『販売管理費が運賃の何%か理解出来たらあとは簡単です。原価率を下げるのは間接コストをこれ以上増やさずに売上を伸ばす事を考えれば良いのです。例えばトラック10台で、1000万の売上がある会社で、販管費が200万かかる会社があったとします。 販管費率20%ですよね!この会社の販管費率を2%下げたければ売上を約1100万にするだけです。利益率が2%上がった瞬間となります。販管費率を5%下げたければ販管費を1円も増やさずに売上を1300万まで上げれば良いのです。』
Q:そんな簡単だったのですね。荷主さんが良い買い物をするには運送会社側の体質を変えていけば高い間接コストの企業の運送を回避出来る訳ですね!ここで課題となるのが導入したら車両費用負担が増えると思いますがこの辺を改めて解説頂けますか?
『先ほど上げた収益性(10年平均利益率)はこれで改善していけますが、実際は設備投資費用の計上をしなければなりません。 リースも5年契約、償却も5年が一般的です。これだと生産性を5%改善出来ても、車両費率が上がってしまいます。ここで私達は10年償却ベースのリースプランを提供しております。 半分リース・半分積立リースプランの財務アップリースというプランを国内唯一提供している会社です。収益性を求めた5年償却期と5年回収期を平準化したリースプランで、最初から収益性と同じ収支になりますので、あとは生産性(販管費率)を下げていく為にトラックを増やしていく事に集中できるのです。』
Q:財務アップリースについて詳しく説明いただけますか?
『財務アップリース』とは財務内容が良くなるリースプランで、導入赤字を回避出来る、成長支援型リースプランです。 リース料を半額にして残価を半分とります。これでリース料は半分になり、10年平均した利益率で事業を推進出来ます。しかしながらこのプランではリース会社側のリスクが倍になってしまい、与信のハードルが数倍に上がってしまいます。
また残価に対する金利も利用者様の負担となる為、金融コストは上がってしまいます。そこで、半額になったリース料と同額を残価精算積立金として毎月預からせて頂きます。キャッシュフローベースでは通常のリースと変わりませんが、会計上、収支計算上、リース料は半額になっている為、売上と同時に利益を伸ばしていく事が出来ます。また販管費を抑えながら増車を繰り返す事で生産性を高めていく事が出来、大手の水準である販管費率を10%未満に抑える事が出来たら、利益体質でもあり、荷主に一部還元し、お得なサービスを提供出来る企業になったという事です。 5年リース満了後には積立てたお金を再度5年の再リースに充当(取り崩し)ていけば、10年リースプランの完成となります。』
財務アップリースの説明動画 https://www.youtube.com/watch?v=fT9H4PHzXi8&list=PLEC12lxs6UOmatLksuSlhGrjVz1Uyn-Wv&index=5
財務アップリースのHP http://zimup.net
荷主との運賃交渉の前に

Q:生産性の上げ方と、それによる車両導入赤字の回避はとても良いファイナンスプランだと思います。 荷主に対してどう交渉していけば宜しいですか?
『どの企業でもお客様に求められているのは、低価格、高品質、安定供給です。それを実現する為に生産性を上げて置く必要があるのですが、ここ数年で輸送原価は過去にない高騰を起こしております。生産性を上げただけではカバーしきれず、価格転嫁をしていかなければなりません。 ここで重要なのは7大原価と生産性です。物を動かすという事は原価がかかるという事です。誰がやっても、大手も零細企業も輸送コストは発生します。では何が差になるのか!?というと間接コスト率の差なんです。いわゆる生産性です。お客様は高品質、低価格を求めて協力事業者を探している。というのが実態なんです。製造原価はどこもほとんど変わらず、生産性を高めて置き、その環境で赤字になるのでは運賃が合わない。という事です。 足が出た輸送原価は可視化した原価表を持って交渉に行きましょう。 これ以上安く出来ますか?と 弊社は生産性を高めて原価を安くしました。それでも世の中の輸送資材の高騰で、最低ここまでかかります。利益は3%で結構です。この輸送原価は認めて下さい。とこんな感じで交渉しましょう。』
運賃水準が上がるまでの間に耐え忍ぶ手段(資金と収益の調整)

Q:業界の状況は良く分かりました。それでも荷主の合意形成頂く期間に赤字になったり、資金ショートしそうな運送事業者に支援策はありますか?
『最近増えている相談が資金繰りのリースバックとリース料を安くするリースの組み直しの話をしましょう。 武漢ウィルス発生以降ロシアのウクライナ侵攻とサプライチェーンを揺るがす大事件が発生しました。その結果半導体不足、燃料の高騰、鉄やアルミ、その他の加工部品、さらに円安による輸入品の高騰で物流を取りまく原価が20~30%も値上がりしました。 追い打ちを掛けるように、コロナ対策のゼロゼロ融資や税金の一時猶予などの支援策が打ち切られ、運賃価格転嫁出来ていない運送事業者を直撃し、倒産件数もリーマン金融ショック以来の高水準で、理解ある良い荷主以外、総じて運送会社が負担している状況が続いております。 グリーンベルではお客様のリース料の引下げ組み直しプランやリースバックによる一時的な運転資金の補充など生き残りの為の支援を行っております。輸血・止血・再生と運送事業者の生存させる為に日々分析や改善、輸血作業に追われています。 運送事業者さんには少なくとも償却の早い含み益の持ったトラックを保有されていますので、これを活用したトラックファイナンスが有効打になっています。』
リースバックの注意点

Q:リースの組み直しやリースバックでの輸血と止血は運送事業者にとって生き残れる選択が増える有難いサポートだと思います。 注意点があれば教えてください。
『リースバックを展開している会社はいくつかあるのですが、金利が以上に高いとか、クローズエンド契約でリース満了後にトラックは回収されるか、再度リース料を取られる契約が見られます。 銀行取引がうまく行かなくなると、次の手段が高金利帯の金融サービスに行ってしまう傾向にあります。銀行の次はサラ金、闇金といった様なイメージです。そんな背景の中、グリーンベルのリースシンジゲートで運送事業者を救済する為にリースの金利帯でリースバックやリースの組み直しの提供を強化する事にしました。またリース満了時には低額の残価でお客様が買い戻せ、運送事業の回収期を味わえる様に生き残る為のファイナンス支援を用意してあります。 銀行金利を1.5~3.5%とするとリース金利は3.8~6.8%、ここを境に高金利な税金の滞納税7.2~14・6%、ビジネスローン10~14.8%、ファンド系リースバック12~14%、代表個人のキャッシング12~14.8%、ファクタリング120%などがあり、トラック担保にしたリース系企業のリースバックの金利帯までに抑えたい所です。代表者個人ローンなどはCIC(個人情報の悪化)、税金の滞納は保証協会付融資を不可能にしてしまい、金利だけではないデメリットが発生します。またクローズエンド型のリースバックを展開する企業に車両資産を持っていかれてしまうので、極力回避しなければなりません。 ファクタリングは月利(手数料)ので、1年続けた時の金利を考えると、元金を超える金利にもなったりしますので、しっかり利用先を見定めなければなりません。』
今後の展開を考える

Q:金利10%も超えたら金融コストで赤字が膨らんでしまいますし、調達先を選ばなければなりませんね! 色んな情報を頂き、運送事業者さんも倒産を回避、さらには生産性の向上が計れれば生き残り成長軌道にのれる道筋も見えてきました。そこで今後の展開などをお聞かせいただければと思います。
『淘汰の時代とトラック協会の会長も公言する時代に淘汰される側なのか、する側なのか!?という事です。事業には様々な風が吹き嵐ますが、誰と共に成長するか!だと思います。互いに協力しあう事で、企業同士がお互いの為に行動する事で、社員のリソース以外の効果が得られます。何も協力してくれない取引先を見直し、共に成長出来る能力と想いのあるパートナーを見つけましょう。弊社は物流企業(運送会社)の経営ノウハウは特化している分パートナー企業の社長や社員さんのサポートになると思います。互いに儲けさせる精神があれば、単独で戦うよりよっぽど強固な経営環境を作れると思います。周りが脱落していく中、ドライバーや荷主の受け先として勝ち抜いて行って欲しいですね! グリーンベルグループとしてはファイナンス支援、トラックの販売事業、トラックの駐車場、運送事業者向け機関システムの開発、ETCや燃料カードの発給、経営改善コンサルに注力し、さらにはグリーンベル物流を立ち上げ、お客様に現在の荷主と比較出来る物流を準備して、黒字サポートをしていきたいと考えております。 』
グリーンベルとのアライアンスについて

Q:グリーンベルさんが展開されているコンサルティングサービスやアライアンスについて教えてください。
『おそらくコンサルティングと聞くとえらく高い費用を取られると思うかもしれませんが、グリーンベルのお客様には無料でサポートしております。業界に特化しているので、金融や経営の一般的な指導ではなく、運送会社に特化した専門知識で指導致します。支援して成長して、グリーンベルのお客様で居続けて頂く事が私達の成長に繋がります。コンサルティングの内容は先に述べた様にクライアントの現状に合わせて、改善ルートを作っていきます。輸血・止血が必要なのか、回復見込みがあるのか、今の荷主や運賃が適正なのか、グリーンベルのファイアンス事業ではお客様の決算書も3,000社以上も扱い事業ヒアリングを行ってきましたので、クライアントのレベルやポジショニングやフォーメションなどの良し悪しを評価して、事業分析をして成長基調に持っていきます。 中にはクラッシュアンドビルド対象のクライアントも居ますが、リビルドの支援も行っておりますので、先ずは接点をもって感じ取っていただくのが一番早いかと思います。グリーンベルアライアンスパートナーには経営指導やドライバー指導ツールなども用意してありますので、取引先に加えてお値段以上のサービスを受けられることをお勧め致します。』